ターミナルケアに携わる看護師の役割
患者さんとの関わり方
ターミナルケアとは、「治療が望めない患者さんに対して、苦痛を与える延命医療を中止、人間らしく死を迎えるためのケア」です。そのなかで看護師としての役割には、以下のようなものがあります。
・疾患や症状に対する知識とスキル
・患者さんの価値観や生き方を尊重した支援
・倫理的配慮
・心のケア
・家族支援
人には必ず死が訪れますが、患者さん自身や家族も死の迎え方について日ごろから話す機会がないのが現状です。
ケースバイケースなことも多く、看護師でも対応に悩むことも多いため、こうした ガイドライン(終末期医療に関するガイドライン~よりよい終末期を迎えるために~)に沿ってケアを進めていきます。
他職種との関わり方
ターミナルケアに携わる看護師は、多職種内のコーディネーターとして、中心的な役割を担います。それは、24時間患者さんに関わることや治療面と生活面のサポートに関わる各職種の橋渡しができるからです。患者さんの情報を各職種にフィードバックすることにより、より適切なケアが行えるようになります。
ターミナルケアに携わるうえでの心構え
まずは「ターミナルケア」「緩和ケア」「ホスピスケア」の違いを知り、自分自身がどの場所で患者さんのケアをしたいのかを考えることが必要です。ここのイメージが違ってくると、実際に働いてからギャップを感じてしまい、つらくなってしまう可能性があります。
また、ターミナルケアに携わる看護師は、死と向き合う患者さんや家族のケアが大事な役割です。そのため、治療の甲斐あって元気に退院するわけではなく、報われないと虚しさを感じることもあるかもしれません。最期を迎える患者さんに寄り添う個々との強さも必要だと感じます。
ターミナルケアに携わる看護師は、人の生死に一番近いところで働くため、看護師として医療技術だけではなく、どこまで寄り添えるか、看護の本質的な部分が高められる場所ではないでしょうか。

