高市首相の台湾有事発言で日中関係が冷え込むなか、自民党議員の台湾訪問が相次いでいる。政府としての立場ではないものの、中国はさらに反発を強めている。2025年12月24日の情報番組「サン!シャイン」(フジテレビ系)は自民党の萩生田光一幹事長代行の台湾訪問、頼清徳総統との会談をとりあげ、その意図を探った。

「政府と政府の交流ではなく」
番組は21日から23日にかけて萩生田幹事長代行が地元の八王子市議らと台湾を訪問、台湾との友好関係を一層深めていくことを確認したこと、23日には鈴木馨祐元法相も訪台するなど国会議員の台湾訪問が続いていると説明する。この動きに対して中国外務省はさらに反発を示している。
キヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司さんは「自民党の幹事長代行という極めて重要な立場である人が行くことに意味がある。政府と政府の交流ではなく、党としての交流ということで中国の反発を少しやわらげられるのではという意味もある」と解説した。
「もし日本の議員らの動きが許容されると」
MCの谷原章介さんは「ただ緊張感が漂うなかで党の重要なポストの方が『個人として行っている』と言っても中国はそうは見ないですね」と聞くと、峯村さんは「もし日本の議員らの動きが許容されると、他国も台湾との関係を強化し始める『ドミノ効果』を中国は警戒している。中国は日本と台湾を分断して台湾を併合したいので、萩生田さんの動きを鬱陶しくみている」と話した。
12月下旬から26年1月上旬までの間に、河野太郎元外相や長島昭久元首相補佐官ら自民党議員約30人が台湾訪問を予定している。峯村さんは「間違いなく中国を刺激するが、それ以上に台湾との連携が重要だという高市政権の姿勢の表れ。政府が動きにくいなかで影響力のある議員が動いた」と分析した。ジャーナリストの岩田明子さんは「中国が海外で行っている日本批判に対し、日本と台湾との関係性をよい形で世界にアピールする狙いがある」と話した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)