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行きつけにしたい「銀座の小料理店」4選。和食と酒、そして店主がつくる癒やしの空間がたまらない

行きつけにしたい「銀座の小料理店」4選。和食と酒、そして店主がつくる癒やしの空間がたまらない

「常連なんだ」とわざわざ口にしなくても店主の温かい笑顔ともてなしから、ひと目で同行者にも“贔屓筋”であることが伝わる。

煌びやかな銀座に来る人への心地良い時間や、この地で働く人の支えになっている小料理店。何度でも足を運びたくなる良店を紹介しよう。


1.名物のアジフライに癒やされ、銀座の神髄を知る
『きく』


年季を感じる雑居ビルや細い路地に小粋な店が潜むのも、銀座の面白さ。

時代の移り変わりとともに、銀座の変遷を見守ってきた良店は減りつつあるが「ここの雰囲気だけはずっと変わらない」と常連の心を癒やしているのが、ここ8丁目にある『きく』だ。



新潟県長岡市出身の夫婦とその家族で営むアットホームな店は、ビジネスマン、クラブの同伴やアフター客のファンが多い。

昔から変わらず深夜2時までの営業とあり、仕事を終えた料理人の憩いの場としても愛されている。



品書きには価格が記載されていないため『きく』で値段を気にせず注文ができるようになると“一人前”という声も少なくない。



「おにぎり」。魚沼産のコシヒカリを使ったおにぎりはいつの時代も変わらない日本人のソウルフードだ。

鮭や葉とうがらし、おかかなど1個から注文可能。〆にもぜひ。


名物のアジフライは、サクッと何枚でも食べられる!


しかし、人気の豆あじを使ったアジフライを筆頭に、都会で生きる人の心に温かい灯をともす料理を味わえば、真っ当で誠実な商売を貫いていることがわかるはず。



20〜22時は比較的、予約を取りやすいので“銀座の真心”を感じに、ぜひ。



お会計の目安は……ざっくり¥12,000で銀座ならしの1軒目


食いしん坊はもちろん、酒好き垂涎の肴も並ぶ品書き。そこから選んだ生ビールや店主の故郷である新潟の銘酒を2合ほど飲み、料理を3~4品ほど頼んだ場合の参考に。


2.女将の笑顔とおばんざいが大人の体にしみじみ沁みる
『銀座 花りん コリドー店』


週末は出会いを求める“若者の主戦場”として賑わっていたのもいまは昔。以前に比べて落ち着きを取り戻したコリドー街界隈は、インバウンドのニーズに合わせた都市型ホテルが増えている。

利便性を追求した立地で「古き良き日本の食文化」にスポットを当てているのが『銀座 花りん コリドー店』だ。



1店舗目は銀座7丁目にあり、海外ゲストにもその魅力を広めたいと昨年ここコリドー街にも出店した。



空間を明るく照らすような着物姿で店に立つのは、大女将の中村友香さん。もともとは和食の料理教室を主宰しており、300人以上の生徒をかかえるほどの人気ぶりだった。

「お客様と向き合いながら丁寧につくった料理をお出ししたい」と、料理好きの祖母や母に習い、受け継いだ日本の発酵食材に着目した和食をアラカルトメインで提供している。


時間によっては、おばんざい食べ放題に!


全国から厳選した天然醸造の醤油やみりんなどを使った日本の家庭料理の素朴さ、味わい深さに心がほぐれる。



「たこの燻製ポテサラ」¥900。

看板メニューのひとつ。いぶりがっこの食感とほどよい塩気が酒を呼ぶ。



「肉じゃが」¥1,300。

味の染み込んだ食材は、滋味深く食べ疲れない風味に。



お会計の目安は……¥10,000あれば胃も心も満たされる


おばんざいが、23時までは¥5,500、23時以降¥2,200で食べ放題なのが嬉しい。4種から選べる煮物や揚げ物を含むコース(¥8,800)もあり、日本酒はじめ、酒がよく進む。


3.ワイン片手に洒落た和食、これぞ令和の小料理店
『せろ』


コリドー街の裏路地にある秘密にしておきたい店!


カジュアルで心がなごむ小料理店らしさはそのままに、ひねりをきかせた料理をコースで味わうことができるのが、7丁目の路地裏に店を構える『せろ』だ。

風変わりな店名は、太西洋に生息するサワラの英語名が由来だという。



大阪や京都の日本料理店をはじめ、メルボルンで人気のモダン・オーストラリア料理店でも働いたという店主の伊藤憲二さん。



7品が登場するコースは緩急に富んでおり、旬魚の取り入れ方が印象的。料理人として、フラットな視点で海外から日本を見つめたとき、自国の魚食文化はとりわけ魅力的に見えたのだそう。

季節の魚はシンプルに煮焼きするだけにとどまらず、アジアのスパイスをしのばせたり肉のソースには日本ワインを使ったりなどの個性が光り“ほっこり”だけではない和食の可能性に心が弾む。



豊洲で買いつける旬ものにひと手間加えた「刺身3種」。

北海道のシマエビには軽めにゆずの果皮で香りをつけ、脂がのった秋刀魚は割り醤油、真鯛の付け合わせにはつるむらさきを。



「尾崎牛の肩三角のロースト」。北条ワインのマデラ酒にあおさ海苔を加えた自家製ソースで。

料理はすべておまかせコース(¥10,900)の一例。



20種前後そろえるワインは日本かオーストラリア産。新しい感性が息づく銀座の小料理店を体験することができる。



お会計の目安は……飲んで食べて約¥15,000で2軒目いらずの充実感


旬の魚をメインに扱ったコースは意外な調味料使いも楽しい。刺身の3種盛りは厚めにカットし、ひと手間加えて提供。ワインや日本酒を3~4杯飲めばこれくらいのお値段に。


4.食道楽垂涎の品書きが、縦横無尽の欲望に応える
『銀座 㐂いち』


大人としての礼儀と節度をわきまえていれば、多少のわがままは許されるのが銀座。それを実感できるのが『銀座 㐂いち』だ。



店の従業員から“おやっさん”と呼び親しまれる千葉憲二さんは、貫禄漂うベテラン料理人そのものだが、その中身はユーモアとサービス精神の塊。

カニの名店として知られた懐石料理店などで働き、16年前に自身の“現場第一主義”を貫く店を立ち上げた。



「お客さんが喜ぶポイントを探し続けたい」と、毛ガニのシーズンは、丁寧に身をほぐして味噌ごとどどんと豪快に。



自慢の馬肉はよそには真似できない鮮度とカットで。


ラーメン店を営む店主の腕が光る一杯!


自身が他に営むラーメン店の人気麺はフルでも4分の1サイズでも。

50種前後用意する料理に入手困難な銘酒などを合わせれば、銀座で好きなものを好きなように食べたいという大人の欲も満たされるというもの。



上級者が選ぶべき1軒には、想像のはるか上をいく、至福の時間が待っているものなのだ。



お会計の目安は……ひとり¥10,000前後で美酒美食をたんまり


品書きに料金がないのは、人をもてなす場として使われる銀座ならでは。馬刺しや季節の魚介は仕入れで価格が変動するが、酒を数杯、料理を4品シェアした場合の目安に。


▶このほか:太宰治ゆかりのバーから、名バーテンダーを育ててきた老舗まで。銀座で行くべきバー2選


配信元: 東京カレンダー

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