
タレントとして活躍しながら、近年は俳優やエッセイストとしても活動の幅を広げている青木さやかさん。そんな青木さんが、50歳(執筆時点)の節目に、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の坂本綾子さんとともに「お金の意識改革」に取り組むことになりました。2人がまず取り組んだのが、1カ月の支出を書き留めること。すると、青木さんの「お金が貯まらない理由」が次々と明らかに――。青木さやか氏著・坂本綾子氏監修の『貯蓄が苦手な人こそ読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった』(日経BP)より、その模様をのぞいてみましょう。
分かりません…「初めての家計簿」で判明した衝撃の事実
いったい何をするのか未知なままスタートしたが、坂本綾子先生は大変著名であり信頼できる先生で、きっといい投資とか株とか教えてくれるのであろう、あっという間に増えるのであろうな、と想像していたのだが。
最初の宿題は、日々何にお金を使っているかを書き留めること。そして、貯蓄額、マンションや車のローンの残金、娘の学費などを知ること。自慢じゃないが知らないんですよ、貯蓄額も残金も。通帳とお金に関する書類は、あの棚にあったかな。捨てたかもしれない。ああ、想像しただけで面倒くさい!
名ファイナンシャルプランナーをもってしても、まず基本はそこなのか。日々書き留めること、いくら使っているかを把握することはきっと大切なことなのだ。ダイエットだってそうだもの。毎日体重を量ることで翌日気をつけるようになる。ふむふむ。
というわけで、1.固定費(ローン、光熱費、学費など)を調べるべく、関連しそうなあらゆるものを持参し先生とチェック。
[図表]2023年12月の支出と、ある1週間の支出 出典:『貯蓄が苦手な人こそ読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった』(日経BP)より抜粋
坂本 車のローンはいくら残っているの?
青木 分かりません。
坂本 車のディーラーさんに電話してください。マンションのローンは?
青木 分かりません。
坂本 銀行さんに電話してください。保険は?
青木 保険屋の友人に電話しますね!
坂本 学費は?
青木 どこかの口座から引き落とされているんですかね、どれかなぁ、通帳がいくつかあって。先生、手伝ってください。
坂本 生活費を引き落とす口座は1つにしたほうが把握しやすいですよ。
なぜ口座がいくつもあるんですかねえ? 確かマンションを購入した時にお金を貸してくれたみずほ銀行さんがメインバンクで。でもマンションは三井だから管理費は三井住友銀行の口座から引き落としになっていて。別れた夫からの毎月の養育費振込用に、新たに作ったんですよ、口座を。同じにすると分からなくなるかな入金がと思って。そしたらどの口座か分からなくなっちゃってますね。ここらへんがさすが私です。
支出を項目別に分けることで、“使いすぎ”が可視化
坂本 固定費は63万円ほどありますね。
青木 高い!
坂本 青木さんが書き留めてきた12月の支出。2.の変動費を項目別に分けてみましょう。こうすることで初めて、自分が1カ月にいくら使っているのかがはっきりと分かります。
青木 交際費で19万円以上かかってるじゃないですか!
坂本 お仕事柄、交際費は必要かもしれませんが、これだけ使っているんだと自分で見ることは重要ですよ。
青木 お歳暮シーズンでしたから。しかし多すぎるな。事情を話して、今後は贈らないでおきますか。いや事情を話されても先方も困るでしょうから、そっと今後贈らない方向でいきますか。後輩におごるのも一旦極力やめる方向で。食事の時にいちいちお土産持参も控える方向で。旅に行ったらあげる相手も定かでないバラマキ土産を買うのも禁止。すみません、長い独り言です。
「車の維持費」や「教育費」も馬鹿にならない
坂本 車のローンで5万円。駐車場代もかかっていますね。都内の駐車場は高いですよね。車の維持はお金がかかります。
青木 雑費の内訳を振り返ると、12月は2万9千円のベージュのコートを買っていたんですね。ウール。まあ、これはいいとして、デパートに行くと、どうしても欲しいものが出てきますから。伊勢丹なんて、倒れそうに欲しいモノが。カードで買った日には大変。税理士さんに言われました、そういえば。カードだと使いすぎるから現金にして、どれだけ財布から出ていくのか、実感してみてください、と。
坂本 娘さんの9万円という支出も結構ありますね。
青木 やりたいという習い事は、まあ、出してあげたいという気持ちはありますね。一式揃えたのにまたやめるんかい!と言いたい気持ちを抑えてます。立派な親です。
坂本 2万2千円は動物愛護団体に寄付ですね。
青木 毎月のライフワークですね。ギャンブルから寄付への変化。
