3.授業はどんなふうに進むの?

130時間のカリキュラムを学ぶ
近くて通いやすそうな教室に決め受講を申し込むと、分厚いテキストがどさっと数冊送られてきます。それもそのはず、10科目130時間で学ぶ介護保険制度や介護技術の基本が網羅され、講座によりますが全体で700〜1,000ページほどの教科書で勉強します。
講義は対面、または通信と対面を組み合わせて受講し、決められた数のレポート(宿題)を提出します。知識面の講義から始まり、途中からは教室内の実習で介助の基本を学びます。講師は複数人の分担制で毎回同じとは限らないため、疑問点があればその日のうちに解消するのが良いでしょう。とくに実習でわからないことは、あとから思い返そうとしても難しいことが多いと感じます。
| 科目 | 通信受講の上限 | 合計時間 |
|---|---|---|
| 1. 職務の理解 | ― | 6時間 |
| 2. 介護における尊厳の保持・自立支援 | 7.5時間 | 9時間 |
| 3. 介護の基本 | 3時間 | 6時間 |
| 4. 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 7.5時間 | 9時間 |
| 5. 介護におけるコミュニケーション技術 | 3時間 | 6時間 |
| 6. 老化の理解 | 3時間 | 6時間 |
| 7. 認知症の理解 | 3時間 | 6時間 |
| 8. 障害の理解 | 1.5時間 | 3時間 |
| 9. こころとからだのしくみと生活支援技術 | 12時間 | 75時間 |
| 10. 振り返り | ― | 4時間 |
| 合計 | 40.5時間 | 130時間 |
もし授業を休んでしまったら?
病気や急用で授業を休むことになってしまっても、振替えをして別の日時で授業を受けることができます(具体的なルールは受講先による)。履修漏れがあると修了試験が受けられないので、授業を欠席した場合は早めに振替えの手続きをしておけば安心です。
カリキュラムの時間や履修の条件は都道府県が定めており、各運営元がそれに従って受講ルールを決めています。私が受けた講座では1日あたり7時間・うち休憩1時間(2023年時点)で、一定時間以上遅刻するとその日は欠席扱いとなるため、「午前だけ欠席する」といったことはできませんでした。
服装や持ち物は?
受講の際は動きやすい服装にエプロン着用が基本です。教室内で上履きになる場合は毎回忘れずに持参しましょう。初任者研修は介護現場の基礎を学ぶ場であり、実際に介助の練習もおこなうため、動きやすい服装であることはとても重要です。

授業の持ち物はその日のテキストと上履きに加え、タオル、前開きのパジャマ、箸やスプーン、アイマスクなどです。基本の持ち物以外は、練習する介助の内容で必要なものが異なります。
| 介護職員初任者研修の実習で必要になる持ち物(例) | |
|---|---|
| タオル | バスタオル、フェイスタオルなど複数枚。枕カバーの代用や着替え介助中に体を覆う、筒状にして腰や足の支えに使うなど幅広く使われる |
| 前開きパジャマ | 着替え介助の練習用。ボタンが大きく、余裕のあるサイズのものが使いやすい(教室では私服の上から着用する場合もある) |
| 箸・スプーンなど | 食事介助の練習用。コロナ禍の配慮もあり、実際に食べ物を用いるかどうかは感染状況や運営元の方針による |
| アイマスク | 視覚障害を模擬的に再現。移動介助や食事介助で使うことがある |
研修は複数の講師が分担しているため、授業の順番は必ずしもテキストのページ順でない可能性があります(持ち物の勘違いに注意!)。教室の備品にないものや、衛生上他人と共有できないものを忘れてしまうと介助の練習ができない場合もあるので、日々いそがしかったとしても授業予定と持ち物はしっかり把握しておきたいところです。

課題と試験は着実にこなせば怖くない!
私が受けた講座では選択式の問題と記述課題で構成された6回のレポート課題があり、記述量は回によって大きく異なりました(そのため、1時間かかることもあれば10分で終わることも)。出題範囲は予習・復習どちらの場合もあり、手書きだったため普段パソコンで原稿を打っている身としては久々の「宿題」に新鮮さを覚えました。こればかりは地道にやるしかないですね。
試験は最終回に1時間程度で実施され、35問の択一式でした。講座によっては択一式と記述式の組み合わせの場合もあります。出題範囲は研修で習った内容全体ですので、改めて対策問題集などを買うよりも、習ったところやとくに重要と説明されたところをメモしてしっかり復習することが大切だと感じました。
合格基準は7割といわれており、カリキュラムや出題基準は厚生労働省・都道府県により決められているため、スクールによって難易度や採点基準が変わることはないと考えていいでしょう。反対に、試験前に振り返りや確認テストがあるかどうかはスクールによるので、配布される時間割で確認してください。
結果はその日出席した受講生全員が合格! ちなみに渡されたのは合否のみで、点数はわかりませんでした。

4.仕事でも生活でも役立つのが強み
介護職員初任者研修は、週1日以上の勉強時間が確保できれば無資格・未経験でも受けられる、比較的挑戦しやすい資格です。修了(合格)すると無資格では就労できない訪問介護員としても働けるようになり、就職や転職のチャンスが広がります。
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