いつまでも輝く女性に ranune
認知症の女性は、同居している夫の死に気づかず…特殊清掃業者が明かす「苦労した現場」――大反響セレクション

認知症の女性は、同居している夫の死に気づかず…特殊清掃業者が明かす「苦労した現場」――大反響セレクション

◆保険の審査中は作業に取りかかれず…

作業中
作業中の現場
 また、「保険が絡んでくる案件も清掃に入れずヤキモキする」という。

「賃貸物件で最近増えてきたのが、孤独死が起きた時に支払われる保険というのがあるんです。入居されてる方が自宅で亡くなったら特殊清掃の上限がいくらまで、遺品整理の金額がいくらまで、原状回復工事がいくらまでなど、審査の項目が複雑なんです。そこで保険の審査期間は作業に当たれないという問題があります」

 遺族や不動産会社の方で先に費用を立て替えてくれる場合はいいのだが、金銭的な事情で保険が降りる範囲のみで作業してほしいとの依頼もある。

「手持ちの費用がないから保険の審査が終わってから作業を進めてほしいって言われることが多いです。保険が降りなかったらお金を払えないので、見積もりだけしてくれって依頼ですね。そうなると、何週間か経過してからの作業工程の予想をして見積もりを出すので、なかなか難しいところもあります」

◆認知症で夫の死に気づかず警察沙汰に

放置された現場
認知症で夫の死に気付かなかったケースも…
 また、イレギュラーなケースで清掃に入れないこともあるという。

「自分の旦那さんが自宅で死んだことに気づかなくて、しばらく遺体を放置してしまったケースがありました。そのおばあちゃんは認知症だったようですね。腐敗臭がすごいということで警察が来てしまって、旦那さんが亡くなっていたことが発覚するんですが、現場検証があるから終わるまでホテルで暮らしてほしいとご家族の方に言われたようです」

 しかし、説得に時間がかかってしまったようで、1日2日で終わる作業が1か月ほどかかってしまったようだ。

「なぜそんなに時間がかかったのかというと、亡くなった旦那さんがお金の管理をしていていたので。夫婦でしっかりしている方の人が先に亡くなってしまったので、キャッシュカードがどこにあるとか、財布がどこにあるとか、何にもわからなかったんですよ。おばあちゃんの財布は巾着に入って洗濯機の隣に置いてあるって言っていて探すんですけど、どこにもないんですよね」

 結局、財布が入った巾着は押入れの奥から見つかったようだ。他にもスマホがスーパーのビニール袋に入っていたりと、管理がめちゃくちゃになっていた。

「おばあちゃんをホテル暮らしさせるのも一苦労でしたね。作業中にホテルから帰ってきちゃったりして、『あんたたち何勝手なことしてるの!』みたいに激昂されたりして。そういう時は再度ご家族の方を呼び出して連れて行ってもらったり、かなり大変でした」


配信元: 日刊SPA!

提供元

プロフィール画像

日刊SPA!

日刊SPA!は、扶桑社から発行する週刊誌「週刊SPA!」が運営するニュースサイトです。雑誌との連動はもちろん、Webオリジナルの記事を毎日配信中です。ビジネスマンが気になる情報を網羅!エンタメ・ライフ・仕事・恋愛・お金・カーライフ…。ビジネスタイム、プライベートタイムで話したくなる話題が充実!

あなたにおすすめ