私は植物療法士として、嗅覚生理学に基づき、日常生活の中で香りを積極的に取り入れています。香りの持つ効果は高く、気分に大きな影響を与えることを実感しています。
香りの分子は、鼻の奥にある粘膜に溶け込み、受容体と結びつくことで、電気信号と変換され、ダイレクトに脳へと伝わるそうです。この伝達にかかる時間はわずか0.2秒と言われています。
記憶や情動を司る大脳辺縁系に伝わるため、効果の現れが早く、記憶にも残りやすいのが特徴です。気分を瞬時に変える。香りのこの特性は、大きな魅力だと感じています。
植物の花や実、枝、葉っぱなどから採れる精油。

「自然の香り」といえば、テルペン類(森林や柑橘系の香りをつくる成分)やエステル類(フルーツや花の甘い香りの主成分)など、数十〜数百種類もの化学成分が凝縮された精油が代表的です。これらの成分が香りを形づくり、風邪予防、花粉症対策、リフレッシュやリラックス、睡眠サポートなど、さまざまな作用をもたらします。ですが、今回お伝えしたいのは、アロマの機能性についてではなく、眠る時に身に付けるフレグランス、「寝香水」についてです。
眠る前にフレグランスを纏うということ。

ファッションの延長線上で語られることの多いフレグランスですが、私は、眠る時にもフレグランスをつける習慣があります。
その日の気分で好きな香りを選び、心地よく眠りにつきたいのです。
香りをつけるタイミングも、その日の状況によって変えています。寝る直前につけることもあれば、睡眠前の30分から1時間前に香りを纏うこともあります。
つける場所は、主にうなじやデコルテ。ふんわりと香りが立ち上り、寝ている間も心地よさが続きます。外出時には控えがちな部位にも気を遣わずにたくさんつけられるのも、「寝香水」ならではの楽しみ方です。

