来店するお客は“ビール通”の紳士がほとんどとはいえ、アルコールの影響もあってか“ウンザリするような客”に遭遇することも。特に忘年会シーズンのこの時期は例年、トラブルが絶えない。
都内のビアホールで働く筆者が、実際に今年の忘年会シーズンに目の当たりにした迷惑行為を紹介していく。

◆宴会で無茶飲みからの粗相
年末年始の忘年会・新年会シーズンのこの季節、筆者が働くビアホールではオープンの段階でコース料理にビール他ドリンクメニュー飲み放題がついた宴会予約でほぼ満席という日も少なくない。まず頭を悩ませるのが、「飲み放題=頼めばいくらでも酒が出てくる」と勘違いしているお客である。
予約段階や宴会スタート時に「飲み残しなしのグラス交換制」「ドリンクのラストオーダーは宴会終了20分前」と伝えているように、基本的には1人に1杯ずつの提供。
にも関わらず、1人でビール、ハイボール、日本酒、ワインと何杯もグラスを抱え込んでいるお客が1日に数人は見かける。
ホテルの朝食バイキングでよく食べきれないほどの皿をテーブルいっぱいに広げている人がいるが、それの酒版である。
ドリンクのラストオーダー時はその傾向にいっそう拍車がかかり、「ビール10杯、ワインをボトルで2本」なんていう注文もざらに入る。5名客なのにだ。
このような無茶飲み、ちゃんぽん飲みの末路は大体が同じである。グラスの破壊、嘔吐、ひどい時は脱糞まである。
先日、筆者が営業中にトイレの定期清掃に行くと、ドアや個室の壁に大便が塗りたくられていたことがあった。
粗相をしたのはおそらく同僚が「テーブルから異臭がした」と言っていた宴会利用のお客だろう。
一応言っておくが、生理現象をコントロールできなくなるまで飲むものではない。
◆乾杯ビールが来なくて逆ギレ
「いつまで経ってもビールが来なくて乾杯できないんだけど!」このようなクレームが来るのも大抵が宴会テーブルだ。
ビールカウンターの注文伝票を見ると、案の定ピルスナー系のビールが人数分入っている。これでは時間がかかって当然だ。
ビールに少し詳しい人なら当然の知識だが、ビールには種類や飲み方によって様々な注ぎ方がある。
注ぎながら泡を作る「一度注ぎ」、液体の上にきめ細かい泡を乗せる「二度注ぎ」、そして最も時間のかかる「三度注ぎ」だ。
粗い泡が落ち着くまで三度注ぎ足しスフレ上の泡を作るピルスナー系は通常のグラスなら1杯で1分はかかる。
店側はわざと提供を遅らせているわけではない。人数分のビールをクオリティを落とさずに提供しているのである。
せっかく全種類ビール飲み放題コースを利用するなら少しでも単価の高いものを、という気持ちは分からないでもないが、一刻も早く乾杯をしたいのならまずは提供の早いスタンダードなビールをおすすめする。

