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日本の原油価格を直撃?ラテンアメリカに対する日本の姿勢が問われるベネズエラ危機

日本の原油価格を直撃?ラテンアメリカに対する日本の姿勢が問われるベネズエラ危機

◆現地で「実は日本人だ」と名乗れない恐怖

 支持者は「チーノ、チーノ」と叫び、次から次に握手を求めてきた。「チーノ」とはスペイン語で「中国人」の意味だ。チャベス支持者の中国への好感度は抜群で、日本人を中国人だと思い込んで集まる人の輪は瞬く間に膨れ上がった。取材でいくつもの国を訪れたが、群衆に囲まれるほど恐怖を感じることはない。チャベスの死を悼む気持ちが高じて支持者らは興奮しており、「実は日本人だ」と名乗ったら袋たたきにされていたと思う。これほどまでに中国の影響力が高まったのはラテンアメリカ諸国と中国の間で貿易が活発化したことが関係している。

 そのチャベスの葬儀では、イランもひときわ高い存在感を見せていた。当時、大統領だったアフマディネジャドが参列したが、会場に現れた際にはチャベス支持者から耳をつんざくばかりの歓声と拍手が湧いたのだ。ラテンアメリカ諸国以外で国のトップが葬儀に参列したのはイランとベラルーシ、赤道ギニアだけ。ベネズエラとイランが「反米の絆」で深く結ばれていることは一目瞭然だった。

 ベネズエラ産の原油はインフラ整備の不足で精製できないことが多い。このためイランは埋蔵量トップのベネズエラに精製石油製品を輸出している。一方でベネズエラはイランに原油のほかにコーヒー、カカオなどの農産物を供給している。イランの技術サービスへの対価は、ベネズエラ産の金で支払っているという。


◆軍事面の関係強化が目立つロシア

 ロシアとは軍事面での関係強化が目立つ。アメリカの専門家の分析では、ベネズエラがロシアから購入した武器の総額は、この20年間で日本円にして2兆円に迫る規模だという。

 ‘08年以降、ロシアは超音速爆撃機「Tu-160」を度々、ベネズエラに飛ばしている。18年に「Tu-160」がベネズエラに立ち寄った数日後、カラカスの北東約170キロのカリブ海上にあるラ・オルチラ島にロシア軍が基地建設を検討していると報じられている。ウクライナ侵攻以降もロシアは、アメリカをけん制するため、ことあるごとにベネズエラへの軍事基地建設をにおわせている。

 ベネズエラ政府はアメリカと対立する国々と仲良くする一方で、政治的弾圧を繰り返し、国民生活は困窮している。チャベスに取り入ってバス運転手から大統領になったマドゥロは独裁的手法を一段と強めており、14年以降、800万人近くのベネズエラ人が難民として海外に逃れた。国内では経済の混乱で、80%以上の国民が貧困レベルでの生活を強いられている。

配信元: 日刊SPA!

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