一方で、在留外国人の数は昨年だけで36万人増加(流入超過)し、今年も上半期の実績から同程度の増加が見込まれている。このペースが続けば、在留外国人が1000万人を超えるのは約16年後となる計算だ。人口減少が続く日本社会において、外国人受け入れ政策の行方は、将来の社会構造にも大きな影響を及ぼしかねないテーマとなっている。

◆「規制」と「受け入れ継続」の間にある温度差
外国人受け入れ政策の見直しについては、現時点では維新との連立覚書に基づき、総量規制の是非が議論されている。ただし、土地規制や帰化要件の厳格化といった具体策が進む一方で、受け入れ人数そのものに関しては、明確な方針が示されているとは言いがたい。欧米諸国では移民政策を巡る社会的混乱や反発が報じられており、日本国内でも外国人問題は関心の高いテーマだ。高市首相自身も、所信表明演説で「毎年、文化等が違う人たちを国内に入れる政策はいったん見直す必要がある」と述べている。
一方、政府の人口戦略本部では、人口減少対策の一環として外国人の受け入れを念頭に置いた「秩序ある共生社会」の推進が掲げられている。こうした発言や政策をどう読み解くかについては、受け入れ拡大が今後も続く可能性があると見る向きもあり、政策の方向性には一定の幅が残されている。
◆外国人受け入れ政策が転換しにくい背景
外国人労働者を巡る議論では、規制強化が語られる一方で、受け入れ政策そのものの見直しには慎重な姿勢が続いている。23日に政府が示した素案では27年開始の「育成就労」制度の受け入れ人数の下方修正は、僅かな幅に留まっている。また、誤解が無きように言うと、政府の素案で、特定技能と育成就労の上限として定められた123万人の数字は、あくまで28年度末までの計画であり、「打ち止め」というわけではない。その後も政府が人手不足と考えれば、新たな受け入れ枠が設定されることになり、人口予測を見れば、そうなる可能性は高い。こうした背景には、外国人労働者を受け入れる制度が、さまざまな主体に経済的な影響を及ぼしている点があると考えられる。
在留外国人を移民的観点から見ると、大きく二つのルートが存在する。一つは、技能実習や特定技能といった在留資格で、主に人手不足とされる労働集約型産業に従事するケース。もう一つは、「経営・管理」ビザや、留学後に「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などへ切り替え、長期滞在や永住を目指すルートだ。制度全体を見ると、結果として定住を視野に入れた設計になっている側面も否定できない。

