◆“あおり運転”が引き金に…突然の追突事故と通院生活

「危険を感じて、“注意喚起のつもりで”軽くブレーキを踏みました。すると、バスが止まり切れずに追突してきたんです」
事故の衝撃で鈴木さんはむち打ちになり、しばらく通院することになった。
「事故直後はショックで気が動転しました。後遺症が残るのか心配で、不安な日々が続きましたね」
事故後の過失割合の話し合いでは、バス会社が自分たちの責任を一切認めなかったため、鈴木さんは納得できなかったという。
「バス会社は、『急に止まれない』『(鈴木さんが)ブレーキを踏まなければ事故は起きなかった』と主張しました。正直、理不尽だと思いました」
◆地裁での五分五分判決から控訴…
鈴木さんは弁護士の助言で訴訟を決意。
地方裁判所(地域を管轄する第一審裁判所で、民事・刑事事件など、一般的に最初に行われる裁判の場。以降、地裁)での審議は、ドライブレコーダー映像が証拠として提出された。
「映像にはバスの運転手が怒鳴り声を上げながら、車間距離を詰めてくる様子がはっきりと映っていました。これで安全運転とは言えないと思いました」
しかし、地裁は「過失は五分五分」という判決を下した。
「私にもそんなに過失があるのかと驚きました。これが確定したら、ほかの被害者にも悪影響が出ると弁護士から聞いて、控訴を決めました」
高等裁判所(日本における下級裁判所の中の最高位の裁判所。控訴などがあると審理をおこなう)での審理では、3人の裁判官のうち2人がバス側に過失があると認定した。
「最終的には、バスの過失が95%、私が5%で和解となりました。やっと正当な評価をしてもらえたと思います。約2年半と長い裁判でしたけど、諦めないでよかったです」
鈴木さんは自動車保険に付帯している弁護士特約を利用した。これは、事故の際に弁護士への相談や依頼費用を保険会社が負担してくれる制度だ。
納得のいかない過失割合の争いなどでは、専門家の力を借りたい場合に役立ち、裁判を含む法的手続きも安心して進められるという。
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

