天候、流行、擬態、似合う。写真と文:長見佳祐 (ファッションデザイナー) #4

天候、流行、擬態、似合う。写真と文:長見佳祐 (ファッションデザイナー) #4

連載最後となる今回は、4つのメモからなるオムニバスコラム。

You Are the Weather

12月の韓国・ソウルは運良く本格的な寒波を迎える直前だったようで、街歩きにも良い気候だった。梨泰院(イテウォン)からほど近い位置にあるリウム美術館で、アメリカ人アーティストのロニ・ホーンのインスタレーション作品「You Are the Weather」を見た。

一人の女性を捉えた、100枚にわたるポートレートの連作。温泉に浸かった彼女の表情はどれも一見同じように思えるが、写真に近づいてみると、刻一刻と変化するアイスランドの自然光を受けて、内面の微細な移り変わりを確かに感じることができる。そこではもはや、彼女の感情と天候を厳密に線引きすることはできない。

photo : TOKI

流行

冬のアウター。誰かと被るのは嫌だけど、今季のムードは共有したい。もしくは、あの人と同じものを身に着けたいというマインドは、よくファッションの差異化や共感の矛盾として語られる。

確かに、その時々の気分単位でみると相反する感情だけど、例えば庭師のように、ひとつの生態系の調和を手入れするようなレベルに立てば、目的は一致しているなと思う。腸内細菌が代謝を促すように、わたしたちはコミュニティの均衡を保持しようとする。もしくはコミュニティに駆り立てられて、「被りが嫌」とか「真似したい」と思わされているのかもしれない。

photo : Kenshu Shintsubo
配信元: & Premium.jp

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