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高市政権と移民問題の行方 「他人を信頼できる社会」が民主主義の下地に? 元国連職員が解説する日本の保守化

高市政権と移民問題の行方 「他人を信頼できる社会」が民主主義の下地に? 元国連職員が解説する日本の保守化

◆◆低信頼型社会から高信頼型社会への移民を考える

さらに大変興味深いのが、このような他人に対する信頼の水準というのは、なんと移民が移住先で経済的に豊かになるかどうかの指標にもなっているのである。

「Trust and Income Among Immigrants in Europe」という論文では、2002年から2022年までの欧州社会調査(European Social Survey)のデータを用い、第一世代および第二世代の移民を対象に、個人レベルの信頼度と出身国における平均的な信頼度の両方を調査している。

その結果、どちらの世代でも、他人に対して信頼度が高い国の出身者は、収入が高い傾向があることが判明した。特に第一世代は出身国の感覚を持ち続ける傾向にあり、それが働く場合の感覚にも適用されるので、職場での人間関係や仕事のやり方にも反映されている。一方、第二世代になると、親から受け継いだ他人に対する信頼度よりも、住んでいる国の制度や文化に根付いた価値観から大きな影響を受け、移民先が先進国だと、その国の他人に対する信頼の影響を受けることになる。

いずれにしろ他人に対して信頼度が高いと、個人のレベルでも経済的に豊かになりやすい、ということの証明であろう。

この研究によれば、社会的信頼というのは個人的な価値観なので、実は非常に安定的であり、政策によって変化しにくい。つまり「低信頼型社会」出身の移民が「高信頼型社会」の先進国に移民してきた場合、いち早く「高信頼型社会」の価値観を理解してもらい、それに沿って行動してもらうのが、移民自身も社会にとっても豊かになるための鍵だということである。<文/谷本真由美>

【谷本真由美】
1975年、神奈川県生まれ。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験がある。主な著書に『世界のニュースを日本人はなにも知らない』(ワニブックス)、『激安ニッポン』(マガジンハウス)など。Xアカウント:@May_Roma
配信元: 日刊SPA!

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