誰もが安心して好きなものを表現できる。コミコンは“好き”の熱量が可視化される場所

東京コミコンの魅力を尋ねると、伊織さんの表情が一気に明るくなる。
「ローブを着て歩いている人を見ると、つい目で追っちゃいます(笑)。同じ世界が好きなんだってすぐわかるし、それだけで嬉しいんですよね」
コミコンには、映画そのものというより“世界観の中にいることが好き”という人も多い。アメコミ由来のカルチャーという枠を越え、マーベルやDC、スター・ウォーズ、ハリー・ポッターや続編であるファンタスティック・ビースト、さらにはストレンジャー・シングスやロード・オブ・ザ・リングまで、あらゆる“ユニバースもの”が混ざり合う独特の空気がある。
「映画好きと一口にいっても、ミニシアター作品が好きな人やアート系映画ファンなどいろいろいるけれど、コミコンは“コンテンツそのものが好き”っていう人が集まる場所かもしれません。世界観に浸れることが嬉しい人の集合体なんですよね」
日本人の“お祭り好き”気質もコミコンとは相性がいい。
「ここでは、本当に好きなものを出していいんだ!って安心感があるんです。非日常に浸れるし、大人になって忘れかけていた“ワクワク”に戻れる。大人が追いかける幻想みたいな場所でもあります」
“初心者に優しい”のもコミコンならでは。偶然の出会いが、新しい沼をつくる

コミコンの面白さは、新しい作品世界との出会いという点にもある。
「今まで見たことはあるものの、詳しくは覚えていないな、みたいな映画って実は多いんですよね。私はマーベルがまさにそうで。PR大使として携わるようになってから改めてマーベル作品を全部見て(笑)。そこであれ、こんなに面白かったんだ!って気づくこともあったんですよね。偶然見かけたコスプレイヤーを見て『これなんのキャラクター?』って検索して、そこから作品に興味を持つ人もいますよね」
スター・ウォーズのように作品数が膨大で、「どれから見ればいいのかわからない」というような参入しづらい作品でも、コミコンで触れることで“入口のハードル”が一気に下がるという。
「たくさん作品があっても、コミコンは初心者に優しいんですよね。まず出会って、気になったら帰ってから見ればいい。いろんな入口が転がっている場所です」
