古くから愛されてきた日本や世界のお香

先日、とある小さな町で行われた日本の香道に関するミニワークショップに参加する機会があり、奈良の有名なお寺の住職さんから、お香について興味深い話を聞くことができました。ワークショップでは、実際に数種類のお香の香りを体験し、また何世紀も昔の時代における香道の使われ方を解説していただきました。住職さんによれば、香原料には主にインドネシア産の木から採取される樹脂が多く、これらは非常に貴重で高価なもので、ときに金よりも価値があったのだとか。
世界の国々において、宗教儀式や、日常生活でのリラクゼーションや健康のために、お香など植物由来の煙や香りが利用されている例は、数え切れないほどあります。私の故郷であるドイツでも、お香を焚くという伝統は深く根付いており、近年は再び人気が高まっています。特に、ハーブや植物、そして自然に詳しい人々が、昔ながらの「お香を焚く」習慣に回帰しているケースが多く見られます。
季節の節目の行事にも欠かせないドイツの「お香」

西洋には「Wheel of the Year」と呼ばれる、キリスト教以前に由来する古代ヨーロッパの慣習も含めて、自然のサイクルを祝うお祭りの年次カレンダーのようなものがあります。地球と太陽の位置から決定される季節の節目となる行事のうち、もっともよく知られているのは、春分と秋分、そして夏至と冬至でしょうか。
ほかに、季節の行事には次のようなものがあります。
- クリスマスの40日後(2月2日)は聖燭祭
- 4月30日から5月1日にかけての夜はワルプルギスの夜
- 8月1日は収穫祭(ラマス、ルーナサ)
- 11月1日は万聖節(諸聖人の日)

そして、ドイツでは「ラウナハテ(Rauhnächte)」と呼ばれる「クリスマスの12日(Twelve Days of Christmas)」には、お香にまつわる習慣もあります。
「ラウナハテ」は、クリスマス(12月25日)から公現祭(1月6日)までの12日間のことで、この期間はドイツの人々にとって常に神聖な期間でした。人々はできる限り仕事をせず、祝い、過ぎ去った一年を振り返り、共に神託を尋ね、たくさんのおとぎ話を語り、そしてお香を焚いて過ごしました。それは一年間の重荷から解き放たれ、来る新しい未来を見据える時間だったのでしょう。
多くの変化と革新に満ちた、慌ただしい現代にこそ、私たちはこうした「特別な時間」についての先祖伝来の知識を活用すべきかもしれません。

さて、お香にまつわるこうした風習は、お香が持つとされる浄化作用にもつながります。私たちはフランキンセンス(乳香)やミルラ(没薬)、マツやサンダルウッド(白檀)の香りを、祝祭的な幸福感と結びつけて考えがち。そのため、まるでお香の香りそのものが、気分を高め、心身の重荷を浄化する力を持っているかのように感じられます。
もともと植物や樹脂、木片を燃やすという行為は、人類最古の儀式の一つであり、宗教行事だけでなく医療目的にも用いられてきました。今日でも多くの人々が、お香が心身にもたらす癒やしの効果に恩恵を受けています。
もしかしたら、これは古代のアロマセラピーの一種だったのかもしれません。
