◆LAで「下手くそ!」と罵られて、自分の弱さを知りました
──すごい度胸ですね……。海外の道場はいかがでした?フワ:誰も私のことを知らない環境での練習なのが、リアルで面白かったですね。これまで「才能の塊!」とか褒められてたのが一体なんだったんだってくらい、普通に「下手くそ!」とか言われるくらい、ちゃんと劣等生でしたよ(笑)。おべっかなしの自分の実力がわかって、メンタルもフィジカルも強くなったと思います。
──ストイックですね。それはどんな場面で感じましたか?
フワ:若いコたちが、夢に向かって切磋琢磨する姿に、刺激をたくさん受けましたね。改めて、夢があるって素敵。目標ができてからは活動休止中のぼんやりした生活が一気に輝きだしたのが自分の中で印象的でした。
──なるほど。そこから生活が一変したわけですね。
フワ:今は(※5)他の新人選手たちと同様、「練習生」として週に4~5回、基礎からミッチリ鍛え直しています。

フワ:はい、まったく。選手の皆さまも、新人選手の一人としてフラットに接してくださってます。企画で挑戦したときとは違い、いまはほかの若手選手とともにトレーニングしているのですが、私だけできないことや理解してないと感じる瞬間が多々あり、ふがいない思いをすることだらけです。でも若手選手の間でできないところはお互い当然のように教え合っていて。ライバルでありながら高め合う、仲間同士の爽やかな優しさにすごく助けられてます。練習自体は厳しく過酷ですが、みんなと過ごす青春は楽しいです。
──練習当初と比べて、ほかに変化はありましたか?
フワ:最初のうちはやっぱり、相手を殴ったり蹴ったりすることに抵抗がありましたね。ただ相手を「傷つける」ことと「倒す」ことは別物だと理解してからは、躊躇せずやり合えてます!
──確かにプロレスは危険も伴う競技です。何がそこまで引きつけるのでしょうか。
フワ:最初は、純粋にヒーローに憧れるみたいな気持ちに近かったです。どう考えてもカッコいい! 闘う人たちに魅了されるのは、本能なのかな! 一方、その華やかさの裏で、常に限界を超えた練習を重ね、怪我と隣り合わせで闘っている。そんなコントラストと、リングに立てば、タレントとしての肩書は一切通用せず、強い者が勝つ。そんなごまかしの利かない厳しさに、心を奪われました。そしてリングの上だけに終わらず、バックステージでもお互いに言い合って掴み合って、そんな闘い全てがエンタメになる面白さ、私の性格的にも絶対にプロレスに向いているんじゃないかなって強く思いました。
◆再デビュー戦の相手に「師匠」を指名した理由
──来たる(※6)12月29日の再デビュー戦の相手には、テレビ企画のときからの師である(※7)葉月さんを指名しましたね。フワ:葉月さんは3年前からの付き合いで、私にこの世界の厳しさを教えてくださった大切な師匠です。スターダムに入団するときも、誰よりも先に相談に乗っていただきました。葉月さんは昔から、私の練習のために、ご自身が忙しいなかでかなり時間を取ってくださっています。私の下手なドロップキックやエルボーも自分自身が練習台になってくれ、弟子である私のことを一番に考えてくださる本当に愛情の深い方です。心から信頼している師匠にデビュー戦を受けていただけて、高まる気持ちでいっぱいです。それに葉月さんは私の師匠であることとは関係なく、最高のプロレスラー! 本当に面白い試合をする、推し選手なんです。試合では自分より背の大きい選手を軽々と持ち上げて、思いっきし蹴り上げるんですよ。あんなきれいなお姉さんが、どうしてあんなに強いの! なんだか小さい頃に、(※8)「キューティーハニー」に憧れた気持ちを思い出します。

フワ:葉月さんからは3年前の時点から、とにかくプロレスの基礎の「受け身」を徹底的に叩き込まれました。もちろん今も繰り返し練習をしています。ドロップキック、スラム、逆エビ固め……新人ができる技って限られているじゃないですか。それでも技術と相手を倒す強い気持ちがあれば、基本的な技でも試合を盛り上げることができる。そんなことを教えるために、基本の技縛りで私のためだけの試合をしてくれたこともありました。技を出し合うことだけじゃなくて、基本の技術と気持ちがいかに大事か学びました。

