◆喉や皮膚が焼けるような痛みに襲われ…

スンジュン:特につらいと言われているのが「ガス実習訓練」です。化学兵器や生物兵器、毒ガスなどによる攻撃を想定した訓練でかなりキツいです。まず、防毒マスクと防護服を素早く装着してガス室に入るのですが、装着手順を誤るとガスが直接体内に入り、強い苦痛を伴う。
その後、教官の「マスクを外せ!」という指示に従うと、目が強くしみ、喉や皮膚は焼けるような痛みに襲われ、涙や鼻水、よだれが止まらなくなります。
ーーそれを成人男性が訓練として受けるのはかなりキツいですね…。
スンジュン:いや、これでもマシになったんですよ。かつてはガス室内で軍歌を歌わせたり、体操をさせたりする訓練も行われていました。が、現在は安全面への配慮から、ガスの刺激を数分間体験して終了する方式に改められています。
ーー他にも厳しい訓練はありましたか?
スンジュン:私が印象的だったのは、訓練所生活の終盤に行われる「行軍(こうぐん)」です。内容は20キロ近いリュックと約3〜4キロの銃を担ぎ、山道を含む長距離を歩き続けるというもので、足よりも肩のほうが本当につらく、もげそうになります。
それでも脱落する人はほとんどいませんでした。行軍中は軍歌を歌って互いに声を掛け合う。韓国ドラマに出てくる軍隊のイメージのそのままです。
◆深刻ないじめ。自ら命を断つ人も…
ーーあまりにも普段の生活とは切り離された環境なので、耐えられない人もいるのではないでしょうか?スンジュン:そうですね。精神的な負担も大きいです。閉鎖的な社会であるがゆえに、かつてはいじめが深刻な問題となり、自ら命を断つ人も少なくありませんでした。
プライベートでの制限が大きいため、精神的な負荷はかなりのものになります。ただ、2010年以降は設備の見直しや理不尽な体罰・過度な上下関係の縮小など環境改善が進められています。

