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35歳「元女子」トランスジェンダー男性を直撃。「この体を離れたい」幼少期の“自殺未遂”と人生を変えた“父の一言”とは

35歳「元女子」トランスジェンダー男性を直撃。「この体を離れたい」幼少期の“自殺未遂”と人生を変えた“父の一言”とは

◆性別適合手術の内容や金額

性別適合手術の内容や金額
ーー性別適合手術では、具体的にどういうことをするのですか?

ショウイチさん:僕は胸の乳腺と脂肪を取り、同時に、当時の戸籍変更条件が生殖能力を欠かすことだったので、卵巣と子宮も取りました。

現在はホルモンバランスや免疫力、自律神経を整えるためにも、月に1回は男性ホルモン注射を打っています。

ーー手術にはどれくらいのお金がかかりましたか。

ショウイチさん:僕が手術した2010年はまだ安くて、渡航費や宿泊費すべて込みで70万ぐらいでした。

ーー思ったより安いですね。100万円はするものだと思っていました。

ショウイチさん:今はそれくらいしますね。ただ、厳しい条件はありますが、今は保険適応で手術することも可能になりました。

◆性別変更を経たからこそ、経験したこと

ーー性別変更を経たからこそ、経験したことは何かありますか?

ショウイチさん:学生向けの講演会やインスタのコメントで「お風呂やトイレは男性用・女性用どっちに入りますか」とよく聞かれます。僕は今は男湯、男子トイレを使っています。

女子学生時代は女湯、女子トイレを使用していましたが、中3の頃から見た目が男性っぽくなってきて、女性トイレに行ったら中から出てきた女性に「ちょっとボク!ここ女子トイレ!男の子あっち!」と言われ。

ーー男の子として認識されるようになったのですね。でも、同時に複雑な心境にもなりそうです。

ショウイチさん:「嬉しいような、でもトイレはしたいし…」の葛藤経験がよくありました。

お母さんと銭湯に行っても「男の子はあちらですよ」と言われるようになったので、中3の頃から女性専用の場所は使いにくくなっていました。

女湯は視線が気になって行かなくなりましたし、女子トイレも行かないようになって、トイレはよく我慢してましたね。

ーー外出先では、多目的トイレの利用は考えられたのでしょうか?

ショウイチさん:多目的トイレは、車椅子やオストメイトなど身体的に必要な方が優先だと考えていたので、使いませんでした。コンビニに男女共用トイレがあったので、それは気兼ねなく使っていました。


◆自分自身をたくさん見つめてほしい

ーー同じお悩みを持つ方へのアドバイスをいただけますか。

ショウイチさん:悩みを抱えているときはぶっちゃけきついですが、弱みは強みにもなります。

僕の場合、トランスジェンダーは弱みやったけど、誰かの悩みに寄り添えたり、お仕事になったりもしています。悩みごとは誰にでもあるし、必ず乗り越えられるときが来るから、どんどん自分を見つけていってほしいです。

ーー自分らしさって、大人になっても難しい課題だと思います。

ショウイチさん:たとえば「ピンクは好きなほうですか」「博物館は好きなほうですか」みたいな、簡単な質問を自分に投げかけるだけでも自己理解につながると思います。

僕、男の子の友だちがいて、トランスジェンダーではないんですけど小さい頃からピンク色やスカート、キラキラしたものが好きな子でした。

バカにされても好きなものは好きって言い切る強い子で。今なにをしているかというと、めちゃめちゃ有名な歌手たちのファッションデザインをやっています。

時間は無限にないし、明日死ぬかもしれません。自分が何を好きで、どういうものに興味があるか、何を経験したことがないのかを思い起こして、自分をどんどん見つめてほしいです。

<取材・文/松浦さとみ>

【松浦さとみ】
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。ギャルやゴスロリなどのサブカルチャーにも関心があり、日本文化の逆輸入現象は見逃せないテーマのひとつ。X:@bleu_perfume
配信元: 日刊SPA!

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