選考が前倒しになってしまえば、結果として就職活動そのものが長びく可能性も否めない。たとえば、業界によっては東京に一極集中している場合も多い。となると、東京近郊に住んでいるか否かの違いが、ボディブローのようにじわじわと効いてくる。それでも、志望企業から内定をもらうためにはリングに立ち続けなければならず……。
本記事では、筆者(26卒)が当事者目線で“地方在住就活生”のリアルをお届けしたい。

◆「初面接の面接官」がまさかの…
あるベンチャー企業の選考を受けていた時のことだ。1次選考のグループディスカッションを突破し、迎えた2次選考が就活での初面接だったのだが……。当日、面接官として登場したのがまさかの会長だったのだ。人事担当者からは「緊張しなくて大丈夫ですよ」と優しい言葉をかけてもらったが、就活の初回面接で企業のトップ相手に落ち着ける人など、なかなかいないだろう。
とはいえ、「志望動機」「自己PR」「学生時代に力を入れたこと(以下、ガクチカ)」など王道な質問への対策は十分に練っていた。緊張しつつも、万全に準備をしてきた分だけ自信はあった。
しかし、いざ面接が始まると、まったく違う方向に展開。というのも、繰り出される質問は家族構成や入試方式など、想定外のものばかり。その中で母子家庭であることを告げると、気づけば面接は「母親に関する話」が中心になっていった。
そうこうしているうちに、肝心の自己PRやガクチカは一切聞かれないまま、約1時間の面接は終了。準備していた内容を話す機会はほとんど得られず、評価基準も読み取りづらい選考だった。会長が終始テーブルに肘を置いたまま私の話を聞いていた姿は、今でも目に浮かぶ。
◆手痛い経験も、気付きを得られた
初面接だった私は、「これが新卒採用の面接か……」と、大きな勘違いをすることになる。自己PRやガクチカが聞かれるのは、都市伝説のようなものだと、本気で思ってしまったほどだ。もちろんそんなことはなく、その後の選考では当たり前のように準備していた内容が問われた。改めて振り返ると、初回にして、いかにイレギュラーな面接を引いてしまったかが分かる。
その企業からは、案の定お祈りメールが届いた。ただ、手痛い経験を通じて「選考の形式や重視する点は企業によって大きく異なる」という気付きを得ることができた。結果的に、就職活動を進める上で視野を広げるきっかけになったと感じている。

