いつまでも輝く女性に ranune
「今でも女子たちが怖い」写真家・青山裕企が20年間“制服少女を撮り続ける”理由。コンプレックスは乗り越えるものではない

「今でも女子たちが怖い」写真家・青山裕企が20年間“制服少女を撮り続ける”理由。コンプレックスは乗り越えるものではない

◆■「変態」がテーマのグループ展で知った、“キモイ”だけじゃない世界

撮影/青山裕企
そんなフェティシズムを、一気に『SGC』という作品として解放するきっかけになったのが、写真家として走り始めたばかりの頃に参加したグループ展だった。

「毎回お題が変わるグループ展があって、あるときのテーマが『変態』だったんですよ」

思春期のコンプレックスを題材に、女性をモデルに作品作りを始めた青山さんにとって、このテーマは、想像以上にハードルが高かった。

「モデルさんを撮影する際、事前にコンセプト説明をするのですが、当時はまだコスプレへの理解もなく、かなりの方に断られて。いざ撮影が始まっても、モデルさんは終始『キモい』と思っていたんじゃないか?と、不安で仕方なかったです」

作品そのものには手ごたえがあった。だからこそ、自分の一番恥ずかしい部分を世の中に晒すような気持ちになり、展示が始まっても恥ずかしすぎて会場にいられず、場内の後ろ奥に隠れた。そんななか、会場の裏にいる青山さんの耳に、思いがけない声が届いた。

「女性のお客さんの声で、『可愛いね』『懐かしいね』という感想が聞こえてきたんです。てっきり『何この写真、キモい』って言われると思っていたから、本当にびっくり。もしあのとき会場にいなくて、あの声を聞いていなかったら、『1回展示して終わり』になっていたかもしれません」

以降『SGC』は青山さんのライフワークの一つとなった。

「自分の人生を振り返ると、青春時代は何一つ報われなかった。黒歴史と言ってしまうと言い過ぎだけれど、あの頃に戻りたいか?となると、二度と戻りたくない。だけど、写真を撮り始めて、自分の中で想像力が1番豊かだった頃の世界を写真を通して生み出していたんだと気づいて。だから、思春期の頃の自分と向き合って、作品にし続けようと思いました」

◆■「“MY” SCHOOLGIRL COMPLEX」から、「少女たちのコンプレックス」へ

撮影/青山裕企
『SGC』は多くの人に届き、その活躍が認められて以降は、数々の仕事にもつながった。顔が出ない少女たちを撮っていた青山さんは、今度「顔が命」の女性タレントのグラビアを撮るようになっていく。すると、ある変化が起きた。

「思春期の頃にあった“奥ゆかしさ”が、作品から少しずつ抜けてきていると感じたんです。自分の中のコンプレックスが薄まるのと比例するように、写真もだんだん直接的な表現になっていく。それで一度、2021年に『SCHOOLGIRL COMPLEX AtoZ』というベスト集を刊行して、『これで止め!』と、区切りをつけたんです」

ところが、その宣言からわずか1年後の2022年に撮影を再開。2025年11月には最新写真集『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)が刊行された。

「『“MY” SCHOOLGIRL COMPLEX』だった僕の女子学生へのコンプレックス。そして『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(以下『NSGC』)では“MY”が外れて、『少女たちそれぞれの関係性から生じるコンプレックス、彼女たち自身が抱えるコンプレックス』に焦点が移り変わっていきました」

そこには、青春時代のもう一つの原体験——「女子の集団」への畏怖も横たわっていた。


配信元: 日刊SPA!

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