【ポジティブ映画3】竹野内豊、江口洋介が円熟味のある演技を魅せる「人生の約束」
竹野内豊主演、江口洋介共演という、“トレンディドラマ”が最強コンテンツだった頃から今に至るまでずっと最前線を走り続けてきた二人が、素晴らしい演技を見せている。本作は、アラフィフ世代が幼少期に見たであろう西田敏行主演ドラマ「池中玄太80キロ」などを手掛けた、テレビドラマ界の巨匠・石橋冠の監督デビュー作ですが、実に深みのある人間ドラマに仕上がっています。
富山県射水市の新湊地区で、毎年行われる「曳山まつり」をモチーフに、人と人との絆をつむぎあげた本作。竹野内さん演じるIT企業のCEO中原祐馬が、親友の死をきっかけに新湊を訪れ、街の人々と交流していきます。江口さんは、親友の義兄・渡辺鉄也役ですが、気性の荒い漁師ということで、かなりレアな角刈り姿が拝めます。
コロナ禍では、ここ数年各地の祭りが中止されていますが、改めて伝統的な行事がつなぐ、人と人とのふれあいの大切さを再確認させられそう。気軽に故郷へ帰省しづらくなっている今だからこそ、人々の温かいぬくもりを感じられる本作を見て、ささくれていた心をメンテナンスしてほしいです。
人生の約束
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【ポジティブ映画4】無農薬のリンゴ作りに取り組んだ夫婦の営みに涙「奇跡のリンゴ」
阿部サダヲと菅野美穂を迎え、絶対不可能と言われていたりんごの無農薬栽培を、足掛け11年をかけて成功させた夫婦の実話を映画化した作品です。モデルとなった木村秋則氏はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介され、執筆したノンフィクションもベストセラーになっていますが、奇跡のリンゴ作りの道のりはかなり壮絶です。
主人公の秋則(阿部サダヲ)が無農薬栽培をやろうと思ったきっかけは、農薬が妻・美栄子(菅野美穂)の体を蝕んでいることがわかったから。まさに夫婦愛あってのリンゴ作りですが、本当に何度も失敗し、収穫ゼロで借金も増えていきながらも、ネバーギブアップの精神でやり遂げていく姿は、涙なくして見ることができません。
夫婦愛を軸にしつつ、親の背中を見ている健気な子どもたちや、妻の父とのやりとりも含めた家族の結集力は、アラフィフ世代に響くこと間違いなし。逆境にあっても、自分や家族を信じてがんばっていけば、いつか希望の光が差してくる。実話だからよりいっそう、希望と勇気をもらえそうです。
奇跡のリンゴ
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