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「アメリカ人は合理的」は日本人の思い込み!? 在米企業で働いてみてわかった「実はウェットで雑談を好む」アメリカ人の姿

「アメリカ人は合理的」は日本人の思い込み!? 在米企業で働いてみてわかった「実はウェットで雑談を好む」アメリカ人の姿

海外特派員としてアメリカに赴任したのち、現役時代は報道機関で責任者を務めた。だが、もっと深くアメリカを知りたいと思い、ニューヨークに住み着いた。ジャーナリストは貧乏でないと真実は探れないとカネには無頓着な生活だったが、物価は上がり続けているのに、原稿料は下降の一途をたどっているので、売文業だけでメシを食うのは困難だ。ましてやアメリカにいると、円安が生活を直撃し、鼻血も出ない。ドルを多く稼がないことには、どうにも生きてゆけないので、請負やパートタイムでアメリカのいくつかの会社で働いている。当然ではあるが、アメリカの会社は、日系企業とは異なる。働き方や職場での習慣は、100%アメリカ文化だ。特派員時代には知らなかったアメリカ人の姿を目の当たりにすると、日本人の「アメリカ観」が、いかにいい加減かがわかる。

◆50社以上から落とされ、ニューヨークで得た仕事

競争の激しいニューヨークでは、仕事1つを得るだけでも大激戦が繰り広げられる(写真:Adobe Stock)
 ニューヨークで仕事を得るのは、容易ではない。職は豊富にあるものの、競争が激しいからだ。「100回や200回うまくいかなかったぐらいで音を上げていたらニューヨークでは一生、仕事にありつけない」とは、ニューヨークで生まれ育ったアメリカ人の友人の口癖であり、教訓でもある。

 幸いなことに「へたな鉄砲、数撃ちゃあたる」は信条であり、得意技でもあった。数十年前、日本社会ではまだ中途採用がほとんど浸透していなかった時代に日本のメディアを渡り歩き、職を得た。当時と同じ勢いで求人サイトを使ってアメリカの企業にバンバン応募した。50社ぐらいから袖にされたが、そのうち、世界的な観光関連企業グループから面接の知らせが届く。担当者との面談を繰り返して、なんとか採用にこぎつけたが、入社初日に「同期」となる10人の面々と顔を合わせて驚いた。半数以上は、日本企業の定年を過ぎた自分よりも年上・最高齢はなんと、75歳だったからだ。

◆アメリカには採用時の「年齢差別」が存在しない

 決して高齢者を対象にした求人だったわけではなく、経験やキャリアを最優先に選んだ結果だったという。実際、配属先も裏方ではなく、フロントやコンシェルジュなど顧客サービスを担当する部署がほとんどだった。

 そもそもアメリカでは、履歴書に年齢を書き込む習慣がなく、面接で尋ねられることもない。年齢を基準に採用、不採用を決めるのは「差別」につながるという発想があるからだ。

 日本では、企業が求人募集の際に年齢制限を設けることは、原則として法律で禁止されている。しかし、実態としては年齢を履歴書に記入させ、採用時にほぼ無条件に高齢者を弾き飛ばしている場合が多い。そういった意味でも、アメリカと日本との間には差がある。実力主義社会であるアメリカでは、「年齢差別」が存在しない。高齢者が平等に扱われ、新しい仕事に挑戦していることは、日本人はほとんど理解していない。


配信元: 日刊SPA!

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