つい先日、「ミス東大」が大炎上したことをご存じでしょうか?
ミス東大といえば、東京大学内で開かれるミスコンであり、今年は法科大学院1年生の須賀ありささんがグランプリに輝きました。
これ自体は通常通りの流れだったのですが、須賀さんのネット上での振る舞いや発言が物議をかもしたのです。
例えば、「全身コーデ額1000万超」とも噂される超高額コーデをSNSにアップロードした際には、「自分はホームレスまでして東大に通ったのに」という“お気持ち表明”に対して「宣伝できましたか?」と貧困を嘲笑し煽り返す。
慶應義塾大学生と目されるインフルエンサーには「だーーーれも知らないから通信ですか?」と、やはり挑発するような態度で噛みついていく。
率直に言って、私は品性がないと感じました。
ただ、実際にグランプリの栄冠を手にされているわけで、世間の人々は「このような方こそミスにふさわしい」と考えられているのでしょう。
考え方は人それぞれですから、文句は言いません。
ただ、これに対して「貧しい学生への差別的発言を行った」としてグランプリ授与への抗議署名が起きていることも、また反応として無視できないでしょう。
そもそも、東大内ではミスコン・ミスターコンはそこまで盛んなイベントではありません。
少なくとも私にとっては、「いつの間にか始まっていつの間にか終わっているイベント」程度の印象でしかない。
いったい、東大生たちはこの騒動をどうみているのでしょうか。東大生のホンネに迫ります。

◆「弁護士志望なら、キャリアに大きな影響が出るのでは」
「ミスコン自体が前時代的なのは間違いありませんが、出たいなら出ればいいと思います。そういう生き方もあるでしょう。それに、今回の炎上騒動だって、効率的に票を集めるなら効果的だったでしょう。最終的に自分の言葉の責任が取れるならば、問題ないのではないでしょうか」
そう語るのは、東大法学部卒のAさん(20代)。
彼女自身も女性ですが、世間から「エリート街道を突き進む東大美女」に一定の需要があることは理解しているといいます。
自分はそういう生き方をしたいとは思わないが、芸能系などに進まれるならば、そういったキャリアプランもあるはず。
しかし、一点だけ今回の騒動から気になる点があるようで……。
「彼女は弁護士を志望していらっしゃったと記憶しています。ただ、今回の騒動は品のないことをインターネット上に書きこんで、それが炎上した後も一切引かず、むしろ強気に炎上を楽しむような態度を取り続けた。
いうまでもありませんが、法曹は非常に高いコンプライアンス意識を要求される世界です。
守秘義務の範囲も広く、不用意な発言には常に気を付けなくてはならない。それが、実名顔出しの、それなりに社会的影響のあるコンテスト上で、このような騒動を引き起こしてしまったわけです。
弁護士になると考えたとき、キャリアに大きな影響が出ることは、十分考えられますね」
確かに、ネット上で顔の見えない相手を一方的に煽り散らかした挙句、謝罪もなしに投稿を消して一方的な鎮火を試みるような方が弁護士になったとして、少なくとも筆者はそのような方に弁護を頼みたくはありません。
ほかの選択肢はいくらでもあるわけですから、裁判沙汰になったとき、多少出費がかさんでも無用なリスクを負いたくはないでしょう。
◆「単純にダサいんですよね」
一方、自らも貧困家庭出身だという現役東大生のBさん(20代)は憤りを隠しきれない様子でした。「1000万コーデも、別にいいんです。ただ、それは自分で稼いだお金でその服を着ているならであり、他人の稼いだお金で高級ブランド品を買い漁って、自分を強く見せるのは、実力不足を隠しているようで非常に格好が悪いように見えます。
自分の実力で戦っていないって、単純にダサいんですよね」
ミスコンは毎回巨額の金が動く大規模イベントですが、毎年お金絡みのトラブルの噂は絶えません。
須賀さんは否定されていますが「中には自分で票を買う参加者もいる」と噂される方もいる中で、彼女の「1000万コーデ」は商業主義に加速しきった現状を反映しているとも言えます。
しかも、Bさんはかつて須賀さんを東大内で見かけたことがあるのだとか。
「私が知り合いの中学生を連れて、東大の文化祭を回っていた時のことでした。
どこがやってるのか知りませんが、毎年『東大美女とチェキで○円!』みたいな気持ちの悪い屋台が出店していて、そこに須賀さんがいらっしゃっていたんです。
まぁ、それでお金を稼ぐのは本人の自由でしょうけれども、東京大学の文化祭ともなれば、近隣住民だけではなく日本中から小中学生や親子連れが集まる大規模なイベントなんです。
そこで、そんなルッキズム丸出しの品性に欠けるお店が出店するのは、正直恥ずかしいですよね。私も、一緒に歩いていた子に『これが東大の文化祭だよ!』と胸を張って紹介できないような気持ちになりました」

