◆「経歴に箔をつけるにはいいかもしれない」
また、自分の友人が参加していたという現役東大生のCさん(20代)は、友達の応援をきっかけにミスコンを覗くようになったのだとか。「私はこれまでミスコンに興味がありませんでしたが、どうやらアナウンサー志望とかだと、こういう道もあるんですね。
初めて知りました。確かに、そういった経歴に箔をつけるためのツールとして使うならば、ちょうどいいかもしれません。
今回のミスコン廃止運動は、別に今年に限ったことではありません。毎年開催のたびに『ルッキズムを助長する』と廃止議論が盛んになるんです。でも、そんなことに本気になるのもしょうがないので、みんな本腰を入れて廃止させるにまでは至らないだけ。
ただ、経緯を見た限りでは、今回の炎上は、ミスコンというよりも、須賀さんご本人の人間性的なところが問題なのではないかと感じます。
インタビューでは『当たり前であってはいけないのに、当たり前だと思われている理不尽』を変えたいと仰っていましたが、彼女にとって『金銭的な格差』はそれに当てはまらないのでしょうか……」
◆有名になることのリスク
フィンランドでもアジア人差別のジェスチャーを投稿したミスグランプリが大炎上し、首相が謝罪するまでに至りました。評価経済社会とも呼ばれる現代では、インフルエンサーになることが手っ取り早く稼ぐ近道となりつつあります。しかし、有名になるということは、それだけ衆人環視にさらされることも意味している。
早い話が、「お天道様が見ているぞ」と常に心に刻みながら行動しなければ、思わぬところで落とし穴にハマってしまうかもしれない。
マナーを「非合理的」とバカにする風潮もあるようですが、実は「マナーや倫理を重視した非合理的人間」こそが、評価経済社会における最も合理的な人間になるのかもしれません。
<取材・文/布施川天馬>
―[貧困東大生・布施川天馬]―
【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)

