いつまでも輝く女性に ranune
ギャンブルで20億円を溶かした元上場企業社長「正しく遊べば、決して“やってはいけない事”ではない」

ギャンブルで20億円を溶かした元上場企業社長「正しく遊べば、決して“やってはいけない事”ではない」

◆◆「仕事」こそが最大のギャンブル


――では、具体的にどうすればギャンブルを減らすことができるのでしょうか?

清水:いくつか方法があると考えています。まず重要なのが「期待値」を知ることです。たとえば、カジノゲームのバカラの控除率(手数料)は約2.5%、競馬や競艇は約25%です。つまり、競馬で100万円賭けたら、平均して25万円は胴元に取られ、必ず負ける投資をしているのと同じことになります。まずは、この胴元のビジネスの仕組みを正しく理解することが第一歩です。

――知識として理解することで、冷静になれる、と。

清水:はい。バカラのように特に依存性が高いものについては、いったんブラックジャックのような、より負けづらく、戦略性が高いゲームに切り替えるというのも一つの手です。

 ストラテジーを学び、期待値を追いかけるゲームに変えることで、胴元側の気持ちを体験する。これが、私が考える「期待値に賭け続ける」というアプローチです。

――なるほど。特にバカラは危険性が高いのでしょうか。

清水:非常に高いです。何より、スピードが速い。20秒から30秒で結果が出るので、瞬間的にドーパミンが大量に出ます。競馬なら最後の直線で興奮しますが、バカラは30秒に1回ドーパミンが出る。しかも24時間、いくらでも賭けられる。これがドーパミン中毒になりやすい最大の理由です。

――知識でコントロールする以外に、対策はありますか。

清水:人は、暇があれば習慣でギャンブルをしてしまうので、物理的に暇をなくすことですね。仕事を無理やりにでも忙しくするんです。そもそも起業している人なら、仕事こそが最大のギャンブルです。サラリーマンであっても、一生懸命働いて転職し、収入を上げていくことのほうがよほど健全なギャンブルと言えます。

◆◆ギャンブルから離れてデトックスする

清水:また、ギャンブルから離れる時間、いわば「ギャンブルデトックス」を意識的につくることも効果的です。私は週に1回、高尾山を登るようにしました。

 山を登っている間は、さすがにギャンブルのことは忘れられます。先日、鹿児島の霧島神宮にも行きましたが、あそこにいる間は本当にギャンブルのことを考えずに済みました。

――ギャンブル以外の予定を入れることで、物理的に距離を置くのですね。

清水:はい。土日にパチンコのイベントデーに朝から並ぶのが習慣になっている人も、そこに別の予定があれば行けないですよね。そうやって回数を減らしていくことが大切です。

 また、ギャンブルにのめり込んでいる人は、生活が乱れ、暴飲暴食に走り、糖尿病など身体を壊しがちです。人相も悪くなります。これから日本にもカジノができ、ポーカーも流行していくなかで、勘違いして身を滅ぼす若者が増えるのではないかと危惧しています。

 ポーカーで本当に食べていけるのは、上位1%か2%の世界です。そうした現実も、きちんと伝えていきたいです。


配信元: 日刊SPA!

提供元

プロフィール画像

日刊SPA!

日刊SPA!は、扶桑社から発行する週刊誌「週刊SPA!」が運営するニュースサイトです。雑誌との連動はもちろん、Webオリジナルの記事を毎日配信中です。ビジネスマンが気になる情報を網羅!エンタメ・ライフ・仕事・恋愛・お金・カーライフ…。ビジネスタイム、プライベートタイムで話したくなる話題が充実!

あなたにおすすめ