◆「1回OKしたんだから」と2日に1度は体を求められた

横井:子どもの父親である男性とは、中学3年に上がってから交際を始めました。当時、私の自宅が学校の隣にあったので、学校が終わった後で相手がうちに立ち寄る状況が常態化していたんです。早い段階で体を求められ、頻度でいうとほぼ毎週、2日に1度は行為があり、避妊もしてもらえませんでした。
受験も控えていましたしリスクを説明しながら、「いや、やめて」と逃げていたんですが、「1回OKしたんだから」と強い調子で迫られ、なかなか抜け出せない状況が続いていました。
ーー自身が望んだことではなかったけれど、出産を決めたのはなぜですか。
横井:産婦人科に足を運んだのが8か月目で、法律が定める中絶可能期間(22週未満)を過ぎていたためです。胎動を感じ、子への愛情も芽生え始めていました。熟慮の末、産んで自分の手で幸せに育てあげる責任の取り方を選択しました。
◆踏み込んだ質問の挙句、面接で落とされる

横井:妊娠がわかった初期段階で、高校への進学は諦めました。出産予定月が7月だったので、高校生活が中途半端になってしまうのが嫌だと思ったのと、自分の家も母子家庭だったので経済的な負担をかけたくなかったからです。
出産して8か月ほどが過ぎ、母がパートを勤めるコンビニで交代で仕事を始めるようになり、その後コンビニ、清掃員、写真館などいくつかの仕事を点々としました。収入としてはいずれも月7万~8万以内です。
小学生の時から身長もサイズ感も変わらなかったので、服は同じものを着ていました。ママ友が家に呼んでくれて夜ご飯を食べさせてくれることもあり、周囲からの支援に助けられました。

横井:小さい子どもがいると、正社員として雇ってもらいにくいためです。子がいることを伝えると「何で?」「どうして?」と色々と聞き出された挙句に落とされてしまうこともありました。向こうからすれば悪意がないんだと思いますが、「そんなことまで?」と思うような踏み込んだ質問も多かったです。採用されても中卒であることを悪く言われたり、出勤のシフトを入れてもらえず、辞めると自分から言い出す方向に仕向けられていると感じることもありました。

