いつまでも輝く女性に ranune
片岡凜、父から受け継いだ「出過ぎた杭は打たれない」という処世術

片岡凜、父から受け継いだ「出過ぎた杭は打たれない」という処世術

◆次は大人の女性にも挑戦してみたい

片岡凜
――実際のアフレコ現場はいかがでしたか?

片岡:アフレコは数日に分けて行なったのですが、初日に思ったのは「意外と息を多めに吐いてセリフを言っていいんだな」でした。物語序盤の深冬は結構ぶっきらぼうで、雑に受け答えをする場面が多いんです。そういう役柄だと気だるげにセリフを言いたいんですけど、アニメはオーバーにハキハキ表現するイメージがあったので、なかなか気だるい方向に振り切れなかったんです。

――感情を抑えた芝居や、曖昧な発声はタブーなんじゃないかと思いますよね。声の芝居では。

片岡:はい。だけど、リハーサルを終えた段階で音響監督から「もっと気を抜いた言い方でいいよ」と言っていただき、自分が思っているほどオーバーにやらなくていいんだという発見がありました。ただその一方で、オーバーに表現するところはとにかく強く出すこともあったんです。息を吐くときも、「ハァ〜!!」って。その振り幅の大きさが面白かったです。

――そんなに変えてしまっていいものなんですね。

片岡:そうなんですよ。深冬が本の世界に迷い込んだシーンは、ジェットコースターに乗っているときのような声の出し方をしています。そこもオーバーにやっていいと言っていただいたシーンで、楽しかったです。

――ともあれ、アフレコだと体を動かずに叫ばなければいけないじゃないですか? それは難しそうだと思うのですが。

片岡:そうですね。服が擦れる音も立ててはいけないので、本当に難しかったです。体を動かしたくなるエネルギーも全部声に乗せて叫ぶ!というイメージでやっていました。

――そのほかにも、実写作品との違いを感じる部分はありましたか?

片岡:実写の場合は、役者の表情やその場の雰囲気をカメラで切り取ると自然と成立する気がするのですが、声のお芝居はアニメーションの中に自分がちゃんと没入して、こちらが臨場感を生み出しながらお芝居しなければいけない気がして。そこは結構違うなと感じましたね。

――また挑戦してみたいですか?

片岡:やってみたいです! 今回は女子高生役でしたけど、もっと歳を重ねた大人の女性役だったらどんな声で表現すればいいんだろう?と興味が湧いているところです。

◆女優として「20歳までにはぶっちぎりたい」

片岡凜
――片岡さんがお芝居の世界に憧れたきっかけを教えてください。

片岡:幼少期から漠然と「表現する仕事をしたい」と思っていたのですが、高校生の時に『ブレイキング・バッド』というアメリカのドラマを見たのが大きなきっかけになりました。「私がしたかったこと、これだ!」と、胸が苦しくなったというか……しびれたんですよ。結構ダークな作品ではあるんですけど(笑)。

――突き動かされるものがあったんですね。

片岡:はい。そして一人でも多くの人に私のことを知ってもらおうと思って、TikTokに投稿しはじめました。「こんな作品に出られる女優さんになりたい」といった具体的な夢があるというよりは、女優として「20歳までにはぶっちぎりたい」とずっと思っていました。

――そうして、高校在学中に現事務所に所属。高校卒業後から本格的に芸能活動をスタートさせました。最近のインスタグラムやXを見ている感じ、先々のお仕事も決まっているようですが、この世界で求められる存在になるために、心がけていることはありますか?

片岡:唯一無二でいること、ですかね。……って、ちょっと漠然とした答えなんですけど。私にしかできない役で、私にしかできない表現をしたいです。

――誰かを参考にするのではなく。

片岡:そう、オリジナルで行きたいです、常に。

――SNSで何度もバズっていることも含めて、すでにその道を確立しつつあるように思いますが、ご自分ではどう感じますか? 「上出来!」なのか、「いやいやまだまだ!」なのか。

片岡:私はいま突っ走っている真っ最中で、なにが正解か不正解かもわからない中で生きている感じがするんです。なので、まだそんなに振り返ったことがないんですよね。今が上出来なのかどうかは、数年後わかるんじゃないかなと思います。


配信元: 日刊SPA!

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