
1. 認知症ケア専門士とは?
認知症ケアに関する民間資格
認知症ケア専門士は、認知症の人へのケアについて、専門的な知識があることを証明する民間資格です。実務で認知症ケアに取り組む人を対象とした資格で、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定しています。
認知症ケアに対する優れた知識と高度な技能、倫理観を備えた専門家を養成することを目的としており、介護分野で勤務する人だけでなく、医療分野で認知症ケアに携わる人も、受験できる点が特徴です。実際に、介護福祉士や介護支援専門員だけでなく、看護師や作業療法士、理学療法士なども認知症ケア専門士を取得しています。認知症ケア専門士が取得しているほかの資格は、以下のとおりです。

認知症ケア専門士が働く職場
認知症ケア専門士が勤務する職場は、介護施設だけではありません。日本認知症ケア学会の区分による、受験希望者の所属事業所種別のデータでは、医療機関が21%で最も多く、グループホーム(16%)やデイサービス(14%)などが続きます。

認知症ケア専門士認定試験の合格率・合格者数
過去5年間の認知症ケア専門士認定試験の合格率は51〜56%で推移しています。また、合格者数は年によって幅があり、過去5年間では約1,400〜2,600人となっています。

2. 認知症ケア専門士になるには
認定試験の受験資格と受験の流れ
認定試験は毎年1回おこなわれ、3年以上の実務経験のある人が受験できます。また、申し込みには、願書となる『受験の手引』の購入が必要です。受験資格や受験の流れの詳細は以下のとおりです。
受験資格 | 試験実施年の3月31日から過去10年間において、3年以上の認知症ケアの実務経験があること |
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注意事項 |
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受験の流れ |
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第1次試験の詳細
第1次試験はウェブ試験で、4分野ごとに五肢択一形式で実施します。各分野の試験時間は1時間で、それぞれ50問が出題されます。4分野のすべてに合格すれば、第2次試験に進めますが、第1次試験全体で不合格の場合でも、合格した分野があれば5年間有効です。
試験分野 |
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受験料 | 合計1万2,000円(1分野3,000円) ※2026年度からは合計1万6,000円(1分野4,000円) |
合格基準 | 4分野のすべてで70%以上正答すること ※各分野の合格有効期間は5年間 |
第2次試験の詳細
第2次試験は論述試験です。第1次試験に合格すると問題が郵送されてくるので、回答を期間内に提出します。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、第2次試験は非対面での実施となってきましたが、2026年度より全国4会場で受験する形式に変更される予定です。
試験内容 | 認知症ケアの事例3題に対する論述 ※2026年度からは倫理と実践の計2題 |
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受験料 | 8,000円 ※2026年度からは9,000円 |
合格基準 |
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第2次試験に合格したあと、倫理研修を受講すると、認知症ケア専門士の資格を取得できます。
5年ごとの更新制
認知症ケア専門士は、5年ごとに更新が必要な資格です。更新制となっているのは、質の高い認知症ケアを提供し続けるために、最新の知識や技術の継続的な学習が大切だからです。更新するためには、学術集会や生涯学習プログラムへの参加、機関誌などへの論文発表で、5年間に30単位を取得する必要があります。また、更新の際には、更新料1万円がかかります。

