世界遺産「アムステルダム運河」の景観を守りながら護岸を改修する、日本発の技術力
2024年4月には、世界遺産として知られるオランダ・アムステルダム市の運河の護岸改修プロジェクトに技研製作所の工法が採用された。
アムステルダムの運河では近年、木杭の腐食などで護岸の崩落が相次いでいる。しかし、改修するには沿岸の生活道路を閉鎖したり、居住用ボートや街路樹を移転させるなどの工事が必要で、市民生活への影響が甚大だ。また、世界遺産なので景観は維持しなくてはならない。
従来型の工法では時間がかかる上に景観が損なわれる懸念があったが、技研製作所の工法なら周囲への影響が少なく、景観を守ることができるため採用された。世界的に有名なアムステルダム運河で施工することは、技研製作所とその工法のPRになる。
現在、グループとしてはオランダ、ドイツ、タイ、シンガポール、米国、中国に拠点を持つ。2024年8月期の海外売上比率は14%だが、長期的には50%確保を目指している。
田宮 寛之
東洋経済新報社
編集局編集委員
