いつまでも輝く女性に ranune
冷蔵庫がもう空っぽだ…年金月22万円・72歳夫婦を襲う「週末の孫台風」。食費3倍増で貯金を切り崩す〈孫破産の恐怖〉【FPの助言】

冷蔵庫がもう空っぽだ…年金月22万円・72歳夫婦を襲う「週末の孫台風」。食費3倍増で貯金を切り崩す〈孫破産の恐怖〉【FPの助言】

家族関係を壊さず、老後を守るために

では、どうすればよいのでしょうか。大切なのは、我慢でも拒絶でもなく、線引きです。

まず1つ目は、家計の見える化です。週末にかかっている追加費用を、食費、光熱費、レジャー費として書き出してみてください。佐藤さん夫婦の場合、数字を整理したことで初めて危機感を共有できました。

2つ目は、ルールを決めること。「外食は月1回まで」「おやつは持参してもらう」「夕食は簡単なもので許してもらう」こうした小さな取り決めでも、支出は大きく変わります。

3つ目は、息子夫婦との対話です。家計簿をみせながら、現実を共有することは決して恥ではありません。老後資金は有限であり、それを守ることは家族全体の安心につながります。

佐藤さんが意を決して現状を伝えると、息子さんは驚き、こう答えました。「いってくれてよかった」以来、訪問時には食材を持参するようになりました。

孫は、人生の喜びです。しかし、老後の安心を犠牲にしてまで背負うものではありません。愛情と家計、その両方を守るために必要なのは、勇気ある一言と、冷静な数字です。老後破綻は、静かに始まります。だからこそ、気づいたいまが、立て直しの最初の一歩なのです。

波多 勇気

波多FP事務所 代表

ファイナンシャルプランナー

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