◆国内初のセルフ式チェーン「ドトール」
ドトールコーヒーショップは1980年に原宿で1号店を出店しました。当時は喫茶店全盛期の時代。全国には軽食を揃える個人経営の喫茶店ばかりが開店していました。こうした喫茶店は注文や配膳を店員が行う「フルサービス型」でしたが、ドトールはセルフ式で店舗を展開しました。セルフ式にする代わりに、コーヒー1杯の価格は相場の半分(150円)に設定し、安さを売りに全国に展開しました。90年代からはFC展開を加速。現在では店舗数が横ばいに推移していますが、約1070店舗と業界2位の座を維持しています。現在ではブレンドコーヒー(M)を1杯330円で提供しており、他のコーヒーチェーンと比較して低価格帯です。スタバを意識しているのか、ラテ類も充実。トーストやミラノサンドなどを提供し、4社の中で非スイーツのパン類が多い点も特徴です。席同士が近く狭い店舗が多いのですが、消費者からは敷居が低く入りやすいという評価を得ています。
◆ロードサイドで勢力を拡大した「コメダ」
コメダ珈琲店は1968年に1号店を出店しました。当初は名古屋で勢力を拡大。自動車文化の名古屋に合わせ、ロードサイドで展開しました。関東、関西への出店は意外と遅く、2003年以降に進出しています。名古屋以外でもロードサイドに出店しているため、店舗数が多い割に駅前繁華街などで見かけることは少ないです。現在では約1000店舗と業界3位に位置しています。ほぼFC店で運営しています。他社がセルフ式であるのに対し、コメダは昔ながらのフルサービス型店舗です。コメダはコーヒー類が充実しており、ホットコーヒーは通常のブレンドのほか、アメリカンやコメ黒、ウインナーコーヒーなどを提供しています。フードも甘いメニューだけでなく、揚げ物やスパゲッティなどジャンルの幅が広いのも特徴です。SNSでも話題になるように、フードの盛りの良さは別格。シロノワールは代表的な商品の一つです。サンドイッチやカツパン、唐揚げやヒレカツなど、重めのジャンキーメニューが多いのも特徴です。客単価は800~900円台程度と推測されています。他社の1.5倍強で収益率も高いため、居心地の良い席を展開できるのです。

