今どきのおせちのスタイルは?
クックパッドがユーザーを対象に行った「2026年おせち料理に関する意識調査」によると、最も多かったのは「自宅でおせち料理一部手作りする予定(一部購入)」で34.1%でした。手作りと一部購入のハイブリッド型が最も多いと言えます。次いで「すべて購入する予定(自宅で食べる)」が16.4%、「おせち料理は作らない・食べない予定」が14.6%。「すべて手作りする」と答えたのは8.6%でした。
おせち料理の準備にかける具体的な予算については、全体の予算総額は、「5,000円~10,000円未満」が22.3%と最も多く、次いで「10,000円~15,000円未満」が19.8%でした。「5,000円未満」が14.2%で、全体的には15,000円未満に抑えたいと考える層が5割を超えています。
おせち料理を用意する量について、お重のサイズで聞いてみたところ、最も多かったのが、「重箱なし(大皿などで盛り付ける)」で40.4%でした。最近のスタイルとして重箱にこだわらずに大皿などお皿に自由に盛り付けるのがメジャーに。その一方で、「重箱2段」が23%、「重箱3段以上」も31%と多く、伝統的な形式を重視する層も存在します。
志音さんのおせちも今どきのスタイルに近いと言えます。
「地盤がない」ではなく、「自分の家庭の形を作っているだけ」
年末になると、SNSには“理想的な家族文化”が集中的に流れてきます。
志音さんのように、実家の事情や生まれ育った環境とのギャップを感じる人も多いでしょう。
「私の持論ですが、おせちは侮れない。その人がどんな人に囲まれてどんなふうに暮らしているのかがおせちにすべて凝縮されているんです」と志音さん。
ただ、志音さんも一家を総動員しておせちを用意するうちに嬉しかったことがあったと言います。
「去年、友人が年始に遊びに来た際におせちを少し食べてもらったんです。そうしたら友人が『筑前煮もきんぴらも田作りもすごくおいしいね。お母さんが作ったの? わざわざ送ってくれるなんていいお母さんだね。レシピを教えてほしいよ』と言ってくれたんです。お雑煮を出したら海老入りが珍しかったみたいで、『美味しいね。それぞれの家の味っていいね』と食べてくれました。『なんだ、うちにも伝統、あるじゃん』って思いました。確かに引き継いだお重やお椀はないけれど、うちはうちの形でいいんだと思えるようになりました。今年は母に今さらですが、作り方を教えてもらって“志音家のおせち”を作る予定です」
[参考資料]
2026年おせち料理に関する意識調査
