三条市、「『また電話が増えるのかな』とちょっとビクビク」
三条市地域経営課の担当者は、この1か月間の問い合わせや苦情について、電話が8月25日開庁時から9月25日16時までで約1650件、メールが8月23日から9月25日までで約7380件届いたと明かした。
問い合わせ件数が1日20から30件に減った時期もあったが、9月10日に市長会見で、ガーナ政府団による視察の予定が中止になったことが発表されると、再び問い合わせの件数が増えたという。
撤回が発表されて以降の26日は、メールや電話が数件届いている状況という。「完全白紙撤回をしてください」という趣旨のものが多いとした。
前出の担当者はこの1か月間、対応に当たる職員について「怒鳴られることもあったので、かなり精神的な負担にはなっていたと思います」と振り返る。
構想の撤回を受けて、「開庁してしばらくするまでは、『また電話が増えるのかな』とちょっとビクビクしていた部分もありましたが、現在それほど電話は来ていないので、ほっとして大丈夫なんだなというのがようやくわかってきました」と安堵の声を上げた。
今後の国際交流については、具体的に決まっているものはないものの、友好都市との交流は引き続きしていきたい考え。なお、三条市では、24年8月に三条市・JICA・慶応義塾大学SFC研究所の三者間で連携協定を締結し、地域おこし協力隊と海外協力隊に関する取り組みを行ってきたが、構想の撤回に伴い、この協定も終了すると発表している。この協定により日本人学生を地域おこし協力隊として受け入れているが、この受け入れは、「継続していく予定」としている。
長井市と今治市、苦情殺到で業務への支障「計り知れない」
長井市の総合政策課都市交流推進室の担当者は、この1か月間で届いた問い合わせや苦情の件数は、メールと電話合わせて約8000件以上だとした。8月25日の週がもっとも多かったものの、その後少し落ち着いたものの、9月の第1週目頃に再び問い合わせが来るようになったとした。こうした問い合わせや苦情は、市民よりも市外の人からのものが「圧倒的に多い」という印象だという。
撤回が発表されて以降の26日は「本当に白紙撤回したのか」「交流事業そのものをやめなさい」といったメールや電話が数件あったという。一方で、「今回のようなことがあって、交流をやめるというのはやっぱり良くないと思います。ぜひ頑張って交流を続けていただきたい」といった声も寄せられたと明かす。
今後について、以前から続けていたスポーツを通じた交流は続けていきつつも、「不安に思ってらっしゃる方もいらっしゃるので、丁寧に説明しながらしていきたい」とした。
今治市観光課の担当者は、8月25日から9月24日までの問い合わせや苦情の件数について、電話とメール合わせて約6000件だと明かした。
最初は1日450件程度届いていた状況が、直近は1日50件程度に減っていたものの、1人あたりにかかる時間は長くなっていったと、前出の担当者は明かした。最初は情報の真偽を尋ねる内容が多かったが、その後は自身の考えを述べるような内容が多かったという。「最低でも15分」は対応に時間がとられたとし、通常業務への影響は「計り知れないものがありました」と話した。
一方で、26日の問い合わせや苦情は「ほぼほぼないです」とした。
今後の国際交流の予定については、「アフリカ・ホームタウン」の枠組みの中で交流を予定していたモザンビークについては白紙の状態だが、これまでも行ってきた姉妹都市との交流については「今までと同じように国際交流を継続していきます」とした。