◆吉野家ホールディングスもラーメン事業を拡大中
ラーメン店の倒産が増えている環境下でも、ラーメン人気は盤石で、新規に参入する外食企業が相次いでいる。その参入手段としてのM&Aも活発だ。吉野家ホールディングスも今年に入り、ラーメン店「キラメキノトリ」などを展開するキラメキノ未来を子会社化した。
昨年からラーメンの麺やスープなどを製造する会社を買収するなど、ラーメン事業の運営基盤を強化している。これらによって吉野家のラーメン事業の店舗数は合計129店舗になる(国内95店舗、海外34店舗)。
コア事業の牛丼の業績が成長余地が限定される中、成長余地が大きいラーメン事業を次なる柱と位置付けており、成長の基盤づくりを進めている。
◆競争による品質向上と価格低下が期待できる
このように外食大手が、今後の事業ポートフォリオ戦略の最適化に向けて、ラーメン業態に参入してくるのが増えている状態だ。でもラーメンチェーン上位企業の事業構成を見ると、丸源ラーメンは別として、ラーメン業態の単一事業に集中するか、若しくは、しても関連事業に限定し、効率経営を目指す企業が多い。
経営資源を分散させず、ラーメン業態に絞って開発・調達・製造・店舗運営など各機能を垂直統合している。
複数業態を展開すると、リスク分散にはなるが、コングロマリットディスカウント状態(多くの事業を有する企業の価値が各事業の価値の総計より小さくなる状態)になり、どれも中途半端になりやすい。
ラーメンを本業に経営資源を集中し、効率経営を展開するラーメンチェーンが多いみたいだ。どういった戦略を策定するかは企業によって異なるが、今後もラーメン市場への参入は増えそうだ。
お客さんは競争による品質向上と価格低下を期待したいものである。
【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

