"ドル箱市場"を失いかねないエンタメ関連業
そして、より脆いのがアニメやライブビジネスなどのエンタメ関連業かもしれない。
中国は日本のコンテンツにとってファン人口も課金規模も大きい市場だが、同時に政策判断でアクセスが急変しうる市場でもある。
実際、2025年11月には中国で浜崎あゆみさんはじめ日本人ミュージシャンの公演が中止された。会場側に対して、年内の日本人公演を控えるよう求める趣旨の動きがあったと報じられている。
こうした事例は、「当たれば大きい」一方で「許可されている間だけ成立する」という不安定さを浮き彫りにする。
ここでコロナ禍のときのような「ライブができなくても配信がある」という方向に舵を切ることはできない。
中国のインターネットはグレート・ファイアウォールというシステムで規制されており、たとえばYouTube、Netflixなどの配信サービスは利用できない。
ライブも配信も同時に止められてしまうようなエンタメ分野は代替市場が見つけづらく、リスクが相対的に大きいということになる。
市場を分散させるリスクヘッジが取れているか
では、日中関係が冷え込んだ現在、日本のビジネスはどう向き合うべきか。
「中国市場を完全にあきらめるかどうか」という単純な選択ではなく、中国を「選択肢のひとつ」に位置づけ直すことだ。
中国で「当たれば大きい」が、「当たらなくても事業が回る」構造を作ることを考えなければならない。
それは、市場の分散、ビジネスモデルの多層化、そして売り先の多国籍化といった、現実的な選択肢を増やす方向性を早急に見つけられるかどうかが、リスク回避のカギとなる。
中国市場は巨大で魅力的である一方、依存した瞬間に最大のリスクへ変わりうる。
今回の動きは、その現実を改めて示しているということではないだろうか。