◆6人の忘年会がまさかの“2人だけ”に

「1週間のホテル暮らしって、ちょっとワクワクするじゃないですか。小学校からの友人6人で集まる忘年会も楽しみでした」
しかし、その予定は数日前から急速に崩れはじめたという。
「友人から『熱が出た』『インフル陽性だった』という連絡が続いたんです。6人中4人がダウンしました」
高橋さん含め、残された2人で急遽ほかの友人に声をかけたが、誰とも予定が合わなかった。予約していた店の変更も間に合わず、“6人で楽しむはずの忘年会”は“2人だけ”で行うことになった。
案の定、人数分の料理が次々と運ばれてきたのだとか。
「2人じゃ到底食べきれないんですよ。料理は冷めていくし、会話も続かないし……。あんな虚しい忘年会は初めてでした」
さらに、高橋さんを打ちのめしたのは会計だった。同行した友人は家族持ちのお小遣い制で、欠席者分まで負担させるのは気が引けた高橋さんは、“5人分”を支払った。
「一瞬で財布が軽くなりました。あの日のレシートは今でも忘れません」
◆ホテルで迎えた孤独な元旦
また、恒例だった登山初詣も中止となり、高橋さんは大晦日をひとりで過ごすことになった。狭いホテルの部屋でアニメや映画をみて時間をつぶしたという。
翌朝の元旦。世間がお祝いムードの中、高橋さんが食べたのはコンビニ弁当とホテルの朝食だけだったそうだ。
「誰とも話さず、ただただ天井を見上げていましたね。“正月ってこんなに静かなんだ”と思いました」
唯一の救いは、友人の子どもに配る予定だった“お年玉”が浮いたことだけだ。
「本当に、人生で一番さみしい年末年始でした」
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

