◆「ライブのエンディングに強い芸人」が売れる
ほかにも、今や売れっ子となった芸人たちが地下にいた時代から目をかけてきたヤマザキさん。「いつか売れるな」と感じた芸人はいたのだろうか。「人気は全然なかったんですけど、宮下草薙。僕のライブはエントリー料がない代わりに、お客さんを1人以上呼ぶことをルールにしていました。でも、彼らはまったく人気がなかったので、宮下のお母さんがよく来ていたくらい(笑)。でも、僕は面白いなと思っていたから彼らのことはずっと推していました」
ヤマザキさんが注目していた「ブレイク前の宮下草薙」。ネタもさることながら、いわゆる“平場”での強さを感じたのだという。
「特に草薙は、今と変わらず前に出るようなタイプじゃないんですが、ライブのエンディングで十数組が舞台に上がっても、なぜか彼らを中心にして話題が回るんですよ。別の芸人が、イジって盛り上がる現場は何度も見ましたね。隅に置いておけない個性を持っていたのだと思います」
宮下草薙のように、ライブでのエンディングに強い芸人がその後活躍する傾向にあるらしい。
「ちゃんぴおんずの大崎は優秀でした。舞台上にいるほかの芸人は、先輩だったり後輩だったり、よく知った相手だったり初対面だったり様々ですが、どんな相手でもうまく立ち回れていました。それから、すがちゃん(パーティーちゃん)は、『何もプランがなくてもとにかく前に出る』という気合いを持っていました。2人に共通するのは、前に出る勇気を持っていることですね」
◆“売れたあと”にも続く交流
若手芸人を見守り続ける身からすると、かつての教え子が売れて行く姿は何にも代えがたい。「ちゃんぴおんず大崎と飲みに行ったときに、あいつが『少し前からさらば青春の光に可愛がってもらって、次に(千原)ジュニアさんに、今は(ダウンタウンの)浜田さんにまでたどり着いた!』と、うれしそうに話していて、僕もうれしくなりましたね」
また、そうした芸人から今でも慕われているエピソードも
「数年前に、サンドウィッチマンとアンタッチャブルの番組(『お笑い実力刃』(テレビ朝日系列))で、ノンキーズが一夜限りの再結成をしてコントをやったんですよ。放送された時に、ブルゾンが友達と一緒に番組を見ている様子を動画で送ってきましたね」
決して狙ってはいないとはいえ、結果的に数多くの「おもしろ荘出身芸人」を輩出してきたわけだから、文句のつけようがない実績だ。現状、同番組で活躍するための傾向と対策は見えてきたのだろうか。
「たとえばM-1は昨年の令和ロマンのように、ひとつの設定を広げて展開していく傾向にありますよね。でも、おもしろ荘では『自分が面白いと思う一点をしっかり伝える』のが大切なのだと思います」

