◆プロレスでは「脱・背中叩き」
──今回、東京ドームはチケット全席種が完売しました。超満員の大観衆の中でデビュー戦というのは、傍から見ると大変そうに思ってしまうんですが……。ウルフ:大丈夫ですよ。そういったものをちゃんと力に変えてやってきたし、これからもそうしていきますから。

ウルフ:別物だと思いますよ。どっちが上、どっちが下とかという話じゃなくて。柔道は柔道の緊張感があり、プロレスはプロレスの緊張感があって、それはリングに上がった時にもやっぱり感じるので、その違った緊張感に慣れていくということですよね。
──なるほど。
ウルフ:僕は、緊張することはすごくいいことだと思ってるんですよ。緊張するぐらいじゃないと、本気でやってるとは言えないと思うので。その緊張を楽しみながら、緊張の中に自分のリラックスを探しながらやっていければと思います。
──柔道の時は緊張を感じながらパフォーマンスを出すためのルーティンみたいなものはあったんですか?
ウルフ:いや、特にはないですね。顔を叩いたりとかぐらいで。逆にルーティンを作りすぎると、それができなかったらちょっとイヤな気持ちになるじゃないですか。試合に行く直前に顔を叩いて、誰かに背中を叩いてもらうぐらいでした。
──背中を叩いてもらうのは、プロレスの試合前もやりますか?
ウルフ:いや、いいかな(笑)。プロレスは一人で試合をすることが多くて、背中を叩いてくれる人がいつでもいてくれるわけじゃないとですからね。「脱・背中叩き」の必要がありますね。
◆「皆さん、その後もちゃんと見てください」
──本番が近づいている今は、何が一番のモチベーションになっていますか?ウルフ:モチベーションはずっとありますね。まず、デビュー戦が決まっているということが一つ、すごくありがたいことなので、それでモチベーションを上げてやってきています。そこから自分の方から志願した対戦相手に決まって、僕の中で憤りとか怒りといった感情もちょっとずつ表に出てきてる中で、この気持ちを全てぶつけるつもりで残りの期間も準備していきます。

ウルフ:もちろん考えてますよ! 皆さんデビュー戦だけに注目しがちですけど、その日からプロレスラーですからね。棚橋さんはその日に引退されますが、僕はそこからスタートなので、「皆さん、その後もちゃんと見てください」って言いたいですよ。
──むしろその後が本番ですからね。
ウルフ:もちろん、その後も見てもらうためには、やっぱりスタートダッシュが大事ですよ。そういう意味では最初から「次もある」というよりは、まず4日のEVIL戦に集中しています。
──1月5日以降は全大会に出場するのかとか、大会の中では第何試合あたりで試合するの?とか、いろいろありますよね。それも1月4日次第でもありますけど。
ウルフ:本当に、まずは1月4日です。本当にその後のことは言っててもしょうがないので。まずはこの1日、1試合に全てを懸けてやる。その後に試合があるということは、僕の中でもしっかりと認識は持ってますけど、そのスタートの日に最高のパフォーマンスをするという気持ちです。……ありがとうございました!
◆古今東西のプロレスラーの中から誰かをインストールするなら
──いや、勝手に締めないでください(笑)。最後にどうしてもお聞きしたいことがあって。ウルフ:今、すごくキレイに締まったと思ったのに(笑)。

ウルフ:ああ、東海道新幹線の「こだま」停車駅を全部言えちゃったりしたヤツですね(笑)。
──あの中で平然とズバズバ答えていく姿と、何も知らない他の出演者が気味悪がる姿が最高でした。さて、もしもリング上で古今東西のプロレスラーの中から誰かをインストールしてもらって試合ができるとしたら、誰がいいですか?
ウルフ:うーん、誰だろう……? いや、誰でもない感じがしますね。やっぱり僕は柔道家という側面もありながらも、今はプロレスラーになって新しい自分自身を作り上げてきたので、誰かをインストールする必要はないですね。とにかくこれから、僕自身をどんどんアップデートしていけたらと思います。
──なるほど。デビュー戦と、その後の戦いに期待しています。ありがとうございました!
【ウルフ・アロン】
1996年、東京都生まれ。6歳で講道館にある「春日柔道クラブ」に入門し柔道をはじめる。初出場の東京2020では、21年ぶりに男子100kg級で金メダルをもたらす。全日本選手権、世界選手権も制する”柔道三冠”も達成。2025年6月23日をもって新日本プロレスと契約。2026年1月4日「WRESTLE KINGDOM 20」でデビュー戦を行う
<取材・文/高崎計三 撮影/荒熊流星>

