◆犯罪増加の背景にモンスター実習生?
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一方、母国ベトナムは工場労働者でも月に1500万ドン(約6万円)程度稼げるほど、経済成長が続く。出稼ぎ労働者の間では巷間「3倍稼げれば行くが、2倍では行かない」と言われるが、実質賃金が上がらない日本で働く魅力は年々薄くなってきている。
実際、直近のベトナム人技能実習生の新規入国者数を見ると、ピーク時の約9万1000人(’19年)から、約7万8000人(’23年)に減少。人気の凋落とともに「値下げ」も始まっているという。
ベトナムの複数の人材派遣会社幹部に取材したところ、技能実習生として日本に行くための手数料は、コロナ禍前は約8000ドルだったが、コロナ禍以降は6000ドル程度にまで低下。日本では高い手数料に批判が集まっていたが、高いだけの魅力があるということだったのだ。
値下げが進めば応募者の幅は広がるが、その分、人材の質は低くなる。
近年、ベトナム人による強盗事件、大麻栽培、電動アシスト自転車やドラッグストアでの窃盗事件などさまざまな犯罪の報道が目立つが、前出のA氏は「どんな応募者でも採用されやすくなり、“モンスター実習生”が入り込んだ結果なんです」と話す。
筆者はA氏から失踪者などが情報交換をするSNSページを見せられたが、そこでは盗難車につけるナンバープレートや衣服などの盗難品の売買が盛んに行われていた。
◆検挙件数自体は昔より少ないが…
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数が増えれば、犯罪が増えるというわけではないが、前出の五百部氏も「質が下がっている」と指摘する。
「面接内定や入管の在留資格審査があり、来日までには半年以上かかります。その間、全寮制の教育センターで日本語の勉強をするのがかつての姿だった。今は入国までの間、地元に帰ってフラフラしている連中が多い。辞退されると困るから、無理に引き戻すわけにもいかない。不良外国人が増えた理由は、日本が人材を選べなくなった結果です」
もっとも、ベトナムの海外派遣労働者数(’24年)は日本が約7万2000人と最も多い。次点が台湾の約6万2000人だが、この差が年々、縮まっている。
実際、6月と8月のベトナムの海外派遣労働者数は台湾が日本を上回った。
「かつては、日本の面接に落ちた若者が台湾に行くという傾向が強かったが、逆転現象が起きています。台湾は渡航後、数か月で働き始めることができ、残業も多い。手取りベースの賃金では日本を上回り始めています」(B氏)
日韓台の人材争奪戦にも、失われた30年から抜け出せない影が落ちている。日本の存在感は弱まるばかりだ。
取材・文/週刊SPA!編集部 写真提供/澤田晃宏
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