「寄与分」が認められる場合とは?
遺産分割(相続)の場面では、親の介護を行ったとして、子である相続人から療養看護型の寄与分が主張されることが多々あります。そこで、以下では、療養看護型の寄与分について言及します。
実は、実務上、寄与分が認められるハードルはかなり高く、寄与分が認められるためには、特別の寄与が必要とされています。これは、身分関係に基づいて通常期待される義務を超える貢献を指します。ですので、親族間の義務(夫婦間の協力扶助義務や先ほどの扶養義務)の範囲内の行為は、特別の寄与に該当しないとされています。例えば、単に病院への送迎を行ったり、病院の診療に付き合ったりしただけでは、寄与分は認められない結論になることが多いです。
また、相続人の寄与によって、被相続人の財産の維持または増加させたことが必要です。
以上のことが、寄与分が認められるために一般的に必要とされています。
「療養看護型の寄与分」が認められる場合とは?
次に、療養看護型の寄与分が認められる条件についてふれます。
まず、被相続人が、療養看護が必要である状態にあることが求められます。ここでは、被相続人が要介護2以上の状態にあることが目安とされています。対象となる被相続人も限定されることにご注意ください。
次に、寄与行為が無報酬又はこれに近い状態であることが必要です。ですので、貢献に見合う対価や報酬を得ていた場合などは、寄与分は認められません。
そして、寄与行為が一定期間継続していることが必要とされています。2・3ヵ月、又は、数ヵ月程度のものだと寄与分は認められない傾向にあります。
最後に、寄与行為が、片手間なものではなく、多大な労力や時間がかかるものであったことが必要です。これは、専従性と呼ばれるものですが、献身的な介護といえるものでなければ寄与分は認められない傾向にあります。
以上のことから、被相続人が介護サービスを受けている場合や通常の親族間の協力の範囲内に留まる行為に過ぎない場合には、寄与分は認められない可能性が高いです。
