◆“荒木飛呂彦イズム”が爆発した展開
ダイナミックな表現や壮大な物語で高い評価を獲得している第7部「スティール・ボール・ラン」だが、初心者にはわかりにくい要素もある。第1部「ファントムブラッド」から第6部「ストーン・オーシャン」まで続いてきた『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズだが、第6部「ストーン・オーシャン」のラストで時間の加速により、世界が新しく生まれ変わってしまう。それによって、第7部以降はパラレルワールドが物語の舞台となる。この“時間が加速することで世界が一巡する”設定が、ジョジョ初心者には難解な設定になっている。
パラレルワールドとはいえ、既存の『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズと完全に異なる世界になったわけではない。設定こそ違うが、ジョースター家が存在する、因縁の相手であるDIOに相当するキャラクターのディエゴ・ブランドーが登場するなど、第1部「ファントムブラッド」から第6部「ストーン・オーシャン」の要素も残している。
◆複雑化したスタンドバトル
超能力を擬人化し、そのヴィジョンが殴り合う、まさに画期的な発明をした荒木飛呂彦。能力バトルの元祖とも言える『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズだが、はじめてスタンドが登場した第3部「スターダストクルセイダース」以降、スタンドの能力は複雑なものになっていく傾向が強く、第7部「スティール・ボール・ラン」でのスタンドは、はじめてだと理解しにくい能力も多い。また、定番だった高速での殴り合い、通称ラッシュも第7部「スティール・ボール・ラン」ではあまり登場しない。前述の通り、勧善懲悪のような展開とはことなり、第7部「スティール・ボール・ラン」はそれぞれが目的のもと動くため、自分なりの正義を掲げるキャラクターもいる。また、主人公のジョニィ・ジョースターは“漆黒の意志”を持つキャラクターであるため、ときに主人公のほうが悪のように見えるときもある。

