
文具のとびら編集部
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は「新春スペシャル」として3日連続で、ブング・ジャムのみなさんに2026年の展望や抱負などを語っていただきました。
第2回目は他故さんです。
(写真左からきだてさん、他故さん、高畑編集長)*2025年11月7日撮影
*鼎談は2025年12月20日にリモートで行われました。
握力つけて字を綺麗に書くぞ!
――次は他故さんお願いします。
【他故】はい、文具王のすごいぎっしりと重たい話の後なので(こちらの記事を参照)、なるべく軽く済ませようかなと思うんですけれども。
【きだて】ははは(笑)。
【他故】まず、展望みたいな話もちょっとだけ言わしてください。別に大きい話じゃないので、メインじゃなくてサブみたいな感じで。2025年から2026年にかけて気になってるのが、金ペンの万年筆がめちゃくちゃ高くなっちゃって、ここから先どうすんの?っていう話なんですけど。
【高畑】はい。
【他故】万年筆の性能は変わらず担保された状態で、金が高くなってるっていう理由で値段が上がってる。だから、みんな万年筆が欲しいと思っても、元々買えそうだったクラスのものが、どんどん値上がりしている。ここ数年ではなかったような流れになってしまっている中で、2025年については、一応プラチナ、セーラー、パイロットで1万円クラスで改めて鉄ペンの新製品を出して、今のところ、そこで補完してる状態になってると思うんですね。
【高畑】うん。
【他故】なんだけど、万年筆のファンが買うんだとすると、ちょっとまだ力不足というか、魅力不足というか。もうちょっと、そういう人たちにも響くようなものが今年出てくれないかなと。それプラス、「万年筆を始めたいです 」って言ってる人にも響くような新しい新製品が出ないかなっていうのを期待してるという話です。
【高畑】うんうん。
【他故】パイロットから「カスタムNS」が出て、セーラーから「プロフィットカジュアルL」が出て、それでプラチナが「BISO」を出して、1万5,000円クラスっていうのかな、そのクラスのやつは一通りできたんですけど、「これは素敵ですよ」っていうのが伝わらない。さっきの文具王の話にちょっと近くなってくるんだけども、魅力みたいなものが上手く伝わってこない。
(左から)カスタムNS、プロフィットカジュアルL、BISO
【高畑】なるほど。
【他故】なので、もうひとつブレイクスルー製品が出ないかなっていう。これはあくまで展望でしかないんですけどね。作ってくれとは言えないので。
【高畑】最近思ったのは、この間「文具女子博」に行ってさ、他故さんも買ってたやつを俺も買ったんだけど、マグネットで反発するペンがあったじゃん。
【他故】「磁悬浮」ね。
【高畑】万年筆の世界もツイスビーだったりとか、あとアメリカのメーカーが作ってるモノックニブだったりとか。あとインドのメーカーが売ってる、新しい形式のノック式だったり。
【他故】ああ、何かあるね。
【高畑】今そういうのが海外から出始めてるんだよ。日本は万年筆メーカーが、トラディショナルな部分で技術力が高過ぎて、あんまり冒険してないところに、海外のメーカーがへんてこなものを「アリじゃん」って作り始めてる気がするのね。
【他故】うん。
【高畑】それで、ハナから「スチールでいいじゃん」って思ってるところもあったりするから。中には、チタンだったりとか、全然違う素材を使って作ってて、金にこだわってるのって日本だけじゃないか。日本のコレクターなりファンなりが、「金じゃなきゃダメ」って思ってる節はちょっとあるかなと思う。
【他故】金ペンがいいのは分かっちゃいるんだけども、金ペンを信奉し過ぎてる雰囲気があるからね。鉄ペンの万年筆に関してはそれをブレイクするほどすごい新製品っていうのがないわけですよ。「安いやつでいいじゃん」っていう、鉄ペンは安いものっていう風に考えられ過ぎてしまっている。そもそもちゃんと書けるってことも含めて、例えば 2万円に乗らないレベルで、もう1本何か各メーカーから特徴的な製品が出てくれると本当は嬉しいので、今年ぐらいにどこかでやってくれないかなっていう話です。
【きだて】うーん。
【他故】例えば、昭和20年代ぐらいに、各メーカーが鉄ペンしか作れなかった時代。金の統制がまだ終わってなくって、鉄ペンだけしかできないっていう時代に、鉄ペンでも柔らかくする技術が確立してるんですね。パイロットで言うと、フォルカンのレベルの柔らかいやつがあるんですよ。なんだけど、今それは途絶えてしまっていて、そういうのを改めて現代のかたちで作ってもらって、鉄ペンでフォルカンができましたなんて言った日には、相当面白いだろうって思ったりもするし。で、もう1つ期待してるのは、鉄ペンの「キャップレス」が全部廃番になっちゃったんですね。
【高畑】そうだね。
【他故】だから、これが何らかのかたちでリニューアルで出てきた時に、「やっぱり鉄ペンもいいよね」って言ってくれるようなものが出てくれると嬉しいなっていうのが、今僕が思っている希望なんです。
【きだて】これに関してはさ、メーカーなのか、万年筆マニアと言われてきた人たちによるものなのかはよく分かんないけど、ともかく絶対金ペン至上主義みたいなのがあったわけじゃない。
【他故】気分として、めちゃくちゃそれがあるのよ(苦笑)。
【きだて】その主義がまかり通っているうちは「金が高くなったから鉄ペンでいいですよ」っていうのも言いにくいわけでしょ。
【他故】そうそう。そこの部分を埋められるぐらい良い鉄ペンが出てきたっていうのは、海外のメーカーではできない、国内のメーカーの技術の話だと思うんですよね。他は変わったものとか、今までにないもので攻めてくる可能性はあるんだけど、今のところ国内のメーカーって、ベーシックをガッツリとずっと真剣に追い詰めてきたメーカーだけが3社残ってるので。だとしたら、書き心地っていうものを再認識してもらって、鉄ペンがついに21世紀に金ペンに近づきましたって言うと変だな、鉄ペンでも満足のできる、皆さんに使っていただけるスタンダードはこの鉄ペンですっていうのが出てくれると本当はいいなと思ってるんですよ。金ペンと比べるんじゃなくて、鉄ペンもいいよっていうもので1万5,000円版。
【高畑】でも、それを出してしまうと、メーカーとしては、金ペンじゃなきゃいけない理由っていうのが、かつてよりも弱くなるわけじゃない。
【他故】うん、めちゃくちゃ弱くなる。
【高畑】だから、それがすごく危険だから、どこもできないっていうところもやっぱりあって、やってこないよねって思うし。その流れって、どうやったって「じゃあ実利を取ります」っていう人は、もう鉄ペンで良くなっちゃうし、金ペンを買う必要がなくなっちゃうし。そうじゃなくて、ロマンを求める人は金ペンになっちゃうしっていう感じになるので、「鉄ペンでいいじゃん」っていうところに関して言うと、正直昔ほど海外のペンが悪くないんだよ。今は海外のペンっていうのがかなり良くなってきてるので、そこで国産メーカーが優位を保つのかなり難しくなってきてるなと僕は思うのね。海外の万年筆メーカーは、かなり品質が上がってきてると思うので。そうなってきた時に、海外のメーカーの面白がり方が今ちょっと上手いと思うんだよ。台湾とか、アメリカとか、インドとか、あと中国のメーカーとかがめちゃ面白くなってきてて。
【他故】ああ、そうね。
【高畑】それをやってるうちに、それの質が上がるんだよ。それって、ニコンとかキヤノンとかがすごい質の高いフラッグシップ一眼レフカメラをずっと作って、それをおじさんたちばかりが使ってる。「カメラはこうでなければいけない。ファインダーはなければいけなくて、イメージセンサーはフルサイズじゃなくちゃいけなくて」って言ってる時に、GoPro出してくるみたいな話なんだよ。結果、若い人たちは「スマホでいいじゃん」とか「GoProなんてスキーしながら撮れていいじゃん」とかみたいなところを持ってかれる可能性がちょっとある気がする。
【他故】うんうん。
【高畑】で、そっちもやんなきゃなっていう気がしていて。今、海外のペンの方が面白いんだよね。中に入れたインクが、めっちゃ面白く見えるようにとか、この間の「ペンショー」にも、「3Dプリンターでボディを作ったからこんな形も作れるんだよね」みたいな、普通では絶対作れない形のペンがあったりとか。ああいうのをバンバンやってる人たちの中から、案外次のルートを作っちゃう人が出るんだよね。
【他故】その海外勢との話も含め、この2026年は鉄ペンと金ペンが、棲み分けになるのかならないのかっていうのを見る年にもなると思ってるので。
【高畑】そうだね。
【他故】だから各メーカーには、できれば1万円クラスで、それぞれのメーカーが誇る万年筆を1本、今年はやってほしいなっていう希望です。
【高畑】ちょうど俺、パイロットの「キャップレス」についての原稿を書いてたのね。で、書いてって思ったんだけど、「キャップレス」って、登場した当時は要はモバイル万年筆なんだよ。だから、変則的な万年筆じゃない。できた時は、まだ実用品としてみんなが万年筆使ってた時代だけど、「キャップ要らないよね」っていうニーズで作ってるから。だから、当時の他の万年筆メーカーからしたら、「なんだそれ?」って感じのペンだと思うんだよね。それが、今となっては定着してるけど、だってあれひどいじゃん。ペン先でシャッターを押し開けるとかさ。

「キャップレス」(写真は金ペンタイプの「デシモ」)
【他故】まあ、当てて開くからね。
【高畑】あれって、旧来の人からしたら、「何でそんな乱暴なことするの」みたいな気分になると思うけど、それでもペン先をシャープに細くしてボールペン並みに使えるのが良かったりするじゃない。「キャップレス」を作った時はまだ現役で、皆がチャレンジャーだったから、パイロットもそういう無理をしたけど、今パイロットが面白いものを作ってくれるのか。それこそプラチナが「キュリダス」を出したりとか、ああいう流れでもっと面白いことをいっぱいやって欲しいなって思って。
【他故】そこはね、めちゃくちゃ感じるんですよ。今それぞれのメーカーにそんなに余裕があると思えないんだけど、でもやっぱり今年は、国産メーカーの粋というか、技術というか見せてほしいなって、めっちゃ思う。
【高畑】思うな。
【きだて】やらないと完全に、宝飾品として残るのみになっちゃいそうだしな。
【他故】高級品を作り続けることは悪くないし、それでいいんだけども、万年筆の普及というか、万年筆っていう文化を残すって考えた時には、弱くなっちゃうかなっていうのはどうしても感じる。
【高畑】1本目の金ペンが「4万円からです」って言われたらさ、ちょっとしんどいよ。
【きだて】まぁ、普通に手は出ないでしょ。
【他故】「進級祝いに」って、冗談じゃないよって話になっちゃうのでね。
【高畑】ちょっとしんどいよね。
【他故】それが僕の現状でのお話の1つで、長くなっちゃって申し訳ないんですが、個人の話もさせてください。あの、もうちょっと字をキレイに描きたいと改めて思っていて。
【高畑】ええっ!
【他故】実はですね、持病とか加齢の関係で、今めちゃくちゃ握力が下がってるんですよ。
【きだて】あー、はいはい。
【他故】握力が下がることによって、正直に言うと字がキレイ書ける瞬間と、書けない瞬間が今出てるんですね。握力だけじゃないと思うんだけど、字をキレイに書くっていうことに気をつけるっていうことの一環として、今年1年は握力をつけるっていう目標を立てました。
【高畑】おお、なるほど。へえ、面白い。
【他故】全く個人的な話で、しかも握力が戻れば本当に字がキレイに書けるのかっていう科学的な根拠はないのだけど、僕が今困ってることなので、これを1年間続けることによって、改善されるのであれば、非常にいいことだと思ってるんです。
【きだて】うん。
【他故】3カ月にいっぺん大学病院に行って検査するんですけど、僕の病気って筋肉がうまく使えなくなる可能性のある病気ということで、それを1番のバロメーターが握力なんですよ。
【高畑】へえ、そうなんだ。
【他故】握力が下がり続けてると、「それは赤信号だ」っていう風に言われていて、毎回測るんだけど、ついに30 kgを 切ってしまってですね。下がる一方なんです。ちょっと調べたんだけども、50代の男性の平均って、43.5kgあるんですね。全然足りない。日常生活でも、確かにフタが開けにくいとかっていうことが実際に起き始めているのが1個とし、困ったことにペンを保持する力が弱くなってるんですよ。きだて氏は、昔の僕の字を見てるから、「何言ってるんだ、キレイだろう」って言うかもしれないんだけど、実際今走り書きをしてしまったら、本当に自分でも読めない字になっちゃう。
【きだて】ほう。
【他故】そうすると、自分の考えていることを紙に書く時に、スピードが全然違い過ぎて上手く書けないっていうのがどうしてもあるので、走り書きはしたい、でも書いた字が読めないっていうジレンマも起きてるんですね。そこのギャップをどう埋めるかっていう話の解決策として、握力を付けるって方法を取ってみようと。
【きだて】いやでもね、大丈夫だよ。走り書きした字が読めないのは当たり前だよ。
【他故】いやいや(苦笑)。
【きだて】他故さんは今までの字がキレイ過ぎだからね。俺のなんか見たらびっくりするよ、本当に字かどうかすら判断できないから。
【高畑】そうやって、自分の側に取り込もうっていう(笑)。
【きだて】もうね、俺はエニグマなのかって思うよ。自分の走り書きを必死で解読作業してるんだからさ。
【高畑】いやいや、解読キー自分じゃん。
【きだて】大丈夫、大丈夫。他故さん全然全然、これからこれから。
【他故】走り書きが汚いっていうことと、僕の健康状態はイコールではないので。自分の健康状態を上げるっていう意味でも、握力は上げたい。
【きだて】それはそうだね。
【他故】どっちにしてもね。
――ほら、歳を取ると字が震えちゃったりすることもあるじゃないですか。
【他故】あ、手の震えもあります。筋力が弱くなることによって、同じ位置を保持することがしにくくなってくるのは間違いないんですよね。実際に、微動して震えるわけじゃないんですけど、こう書いてる時に思った位置にペン先が行かない、みたいな瞬間はやっぱあるんです。まっすぐ書いてたはずなのに、どんどん右に下がっていくみたいな。昔は意識して上げてたはずなのに、それができない。
【きだて】当たり前、当たり前。
【他故】自分が今までできてたことができないことが嫌なのよ。
【高畑】それは分かる。我々も皆50代なので、それはあるじゃないですか。ほら、漫画家の人たちは晩年みんな言うよね。宮崎駿も、今はもう線がふにゃふにゃじゃないですか。あの人も握力なくなったから、柔らかい鉛筆しか持てないとか言ってるし。それで今流行りのさ、若いYouTuberがやっている、あの重たいシャーペンが重た過ぎるんですよ。
【他故】それはめっちゃ分かる(笑)。
【きだて】本当に分かるよ。
【高畑】そこへ行くと、ぺんてるの製図用シャープとか軽くていいぞって思ったり。
【他故】そうそう、今回のトンボの「木物語シャープ」がめっちゃ軽くて今大好きで。

【きだて】分かる分かる。あれ軽くていいよ。
【高畑】「木物語」とか「リント」とか「エアステップ」とかがさ、「もうこれいいじゃん」って思っちゃう。
【他故】思っちゃう(笑)。
【高畑】でも、加齢との戦いはあるよね。自分も感じるよ。
【他故】自分がやってきたことができなくなることの恐怖でもあるんですよ。ベストの自分が過去にあって、それをと同じことが全然できなくなってくる。文房具を使うっていうことは、何かを成し遂げるために使ってたはずなのに、その道具を上手に使えなくなってきたっていうこと自体がめちゃくちゃ恐怖なんだよ、正直に言えば。これでもし手書きができなくなってしまったら、自分が文具が好きだって言ってることの半分以上ができなくなくなってしまうことになる。そこを長く続けたいっていう思いもあって、まあ目標としては、できれば握力を平均まではいかなかったとしても、40kgぐらいまで持っていきたいなって。
【高畑】なるほど。
【他故】それで、手帳を付け始めたんですよ。これ、マークスの「ファンログ」。半年フリーのやつを使っていて、ハビットトラッカーの欄があって、ここに例えばその日はハンドグリップを10回やったとか目標を書いて丸つけて、休んだ日はバツつけて。休んだ日は握力計で握力を測るっていう日にしてるんですね。それ以外の日はハンドグリップスピナーを買って、毎日握ったり回したりしてっていうのをこの 12 月から始めました。手帳につけるっていうのが、多分モチベーションの大切な点だと思ってるんで。
【きだて】それと同時にね、ほら、かつてユニバーサルデザインで握力が要らないペンとか、年寄りでも握りやすいペンとかいっぱい出てたじゃない。他故さんは今そういう状態だからこそ、それらが本当に使いやすかったのかを検証してほしい。
【他故】なるほどね。その発想はなかったな。
【高畑】そこを語れる人だから、車椅子ライターの波子さんがすごいんだよね。
【きだて】そうそうそう。
【高畑】波子さんが障害者の目線で、どういうものが使いやすいんだっていうのを発信してくれる。波子さんは、コクヨの商品作りとかにも関わってたりとかさ。言葉にできる人が使わないと、開発にフィードバックされないよね。だから、他故さんみたいな人が、「ここが必要」って言ってくれると分かりやすい。
【他故】なるほど。
【きだて】俺らももうちょっとしたらそこに到達するからさ、先にやっといてくれと助かるなっていう(笑)。
【他故】ははは、了解です(笑)。
【高畑】急に50肩が来て、毎日こうやって伸ばしてるんだけど、これって突然来るんだね。知らなかった。
【他故】基本そうだよ。
【きだて】突然来て、俺2年治んなかったからね。
【高畑】今は直ってるの?
【きだて】治るときは、いつの間にかフッと痛くなくなってるんだよ。ただ、ちゃんとストレッチして痛いのを我慢して、またストレッチしていかないとね。
【他故】俺もそう。俺も左が来て 2 年近くやって、終わるかなと思ったら右が来て、結局4年近く付き合ったので。
【高畑】「痛」って言いながら、毎日こうやってちょっとずつこうやって伸ばしててさ。今は、整体の先生に「これを毎日やって」って言われて、でちょいちょい整体に行って伸ばしてもらってる。視力は、メガネこうやってパカパカやんなきゃいけなくなってるしさ。でもね、我々としてはそれを単に悲観的に捉えるんじゃなくて、楽しく生きたいじゃん。
【きだて】そういうのを試せるのは弱ってからなので。せっかく弱ったんだったら、ちょっとそれ頼むよっていう(笑)。
【他故】弱ったんだったら(笑)。
【高畑】40g以上するシャーペンとか作ってるやつにはまだ分からんだろ、お前にはっていう(笑)。
【他故】そうそう。
【きだて】俺らは、20 代に分かんねえ話をちゃんとしていこうぜ (笑)。
【高畑】分かんなくて当然なんだけどね。若い人が分かんないのは当然だし、それで全然いいんだけど。
【他故】別に若い人を批判するわけじゃなくて、そういう立場になることもあるよっていうだけの話なんでね。
【きだて】そうそう。
【高畑】我々はそれを楽しんでいける。逆に、「この文房具はそういう人でもいいよね」っていうのを発掘していく。きだてさんがよく言う「道具で解決する」のも、我々にとっては全然アリだしね。
【他故】うんうん。
【きだて】道具で何とかして生きてきたんですから。
【高畑】でも、鍛えようとしてる他故さんを止めないでくれよ(笑)。
【他故】それは全然止めないけども、でもその視点は面白いので、また色々と試してみたいなというのは確かにあるよね。
【きだて】鍛えつつ、そういうのをやってほしい。
【高畑】で、他故さんがまた美文字をちゃんと書けるようになってくると、きだてさんが「こっちに来いよ」って言うっていう。
【他故】ははは(笑)。
【きだて】逆にさ、他故さんがそうやって美文字を取り戻せたとしたら、俺が弱ってても多少昔に戻せる目があるってことじゃない。
【高畑】それはそうだよ。
【きだて】今からでも上手くなれるんだっていう。
【他故】そう、人間鍛えれば鍛えるほど強くなるんだよ。
【きだて】そうね。それはいいことなので、頑張っていただきたい。*次回はきだてさんです
プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/
