家族だけで解決しようとしない──疑念が深まったら専門家へ
もし、相続人の間で「お金の流れについて説明がない」「通帳の履歴に不自然な引き出しがある」「名義預金といわれても納得できない」などがある場合、家族内で話し合うほど感情がこじれ、収拾不能になることがあります。
その場合は専門家が入ることで、金銭の流れを客観的に整理したうえで、法的に適正かどうかを評価し、必要に応じて調停や返還請求に対応するといった冷静な問題解決が可能になります。
家庭内の「使い込み問題」は、どの家庭にも起こり得る普遍的な相続リスクです。
しかし、多くのトラブルは次の対策で予防できます。
●記録を残す
●情報を家族で共有する
●委任状や家族信託でルール化する
●状況に応じて後見制度を活用する
●必要に応じて専門家が関わる仕組みを整える
もっとも大切なのは「透明性」と「仕組み化」です。
相続は、亡くなった瞬間からいきなり始まるものではありません。家庭内の金銭管理が一人に偏り始めた段階でこそ、最も積極的に備えるべき時期だといえるでしょう。
佐伯 知哉
司法書士法人さえき事務所 所長
