◆カンボジア詐欺事件で使われた警察の制服


警視庁の制服や滋賀県警の肩章、機動隊制服などなど。レプリカと明記したものもあれば、本物と説明する出品も。
4月に中国人男性が神奈川県警の制服を着用して日本国内で歩く姿がXに転載され不安の声が上がったこともあった。
さらに5月にカンボジアで日本人29人が詐欺容疑で逮捕された事件でも、警視庁や長野県警の制服が押収されたという報道も。治安機関の制服だけに悪用が心配される。
SPA! は警察庁に問い合わせたが、締切までに回答はなかった。
前出の広瀬氏は、こうした出品物の多くはコスプレ目的での使用が多いと言う。
「自衛隊や警察官は、日本の映画やアニメに親しんでいる中国人にとっては馴染み深く、関連グッズには一定のコレクターが存在します。コスプレ文化は日本より盛んなので、制服をはじめ、身につけることのできるものは特に人気が高い」
◆本物に執着するのはテロリストよりオタクとしても…

マニアのコスプレ用であればまだマシだが、やはり悪用の懸念もつきまとう。9月には偽の国会議員バッジをつけた日本人男性が、官公庁や国会への侵入を繰り返し逮捕された事件も起きているからだ。
考えたくもないが、日中関係が緊張するなか、一部の中国人が身分を偽装して、妨害活動や詐欺を行う可能性もゼロではない。そんな懸念について、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏はこう話す。
「’11年にノルウェーで69人の犠牲者を出した銃乱射事件の犯人は、警察官の制服を着用していました。不正流出した警察官や自衛官の制服が犯罪組織などの手に渡り、テロや詐欺などに利用されることは理論的にはあり得ます。ただし、犯罪目的であれば、正規の制服を着用する必要はなく、レプリカでも事足ります。むしろ、趣味で本物の制服を手にした人物が、着用するだけに飽き足らず警察官や自衛官に成りすまし、何らかの犯罪に走ることのほうが懸念されます。いずれにしても、関係各所は不正流出させないよう厳格管理を徹底すべき」
制服のみで相手を信用することは危険な時代になったのかもしれない。

