◆残業禁止、副業推奨…それは本当に「多様な働き方」なのか?

その理念は間違っていないと思うけれど、近年推し進められているのは、長時間労動の是正や残業時間の削減といったものがほとんどのようだ。また、お得意の罰則規定まで設けられ、コンプライアンス至上主義の弊害も生まれている。
例えば、決まった時間になると会社を追い出されてしまうから家に仕事を持ち帰るとか、残業ができないから期日に間に合わなくなり、その責任を管理職が負わされる、といったことだ。
これは「個々の事情に応じた働き方」などでは決してなく、「コンプライアンス至上主義によって強いられた働き方」でしかないだろう。
残業できないせいで収入が減って困っているという人も多く、それを解決するためなのか、副業を許可する会社も増えているようだが、残業してもいいから一つの会社だけで稼ぎたいという人だっているだろう。
結局ここでも、決められた枠の中での多様性にしか意識が向いていないのだ。
◆長時間労働は悪か? 同調圧力からの脱却と自己責任の重要性

定時で仕事を終わりたいのにみんなが残業しているから自分も残業しなくてはいけないとか、休みたいのに誰も言いだせないといった状況に陥ることはあってはならないと思うけれど、特に研究開発職の人などには、時には寝食を忘れて研究に没頭したいという人だっているに違いない。
それを認めないのは「働き方改革」という仮面を被った新たな画一化になりかねず、自由な働き方の侵害にもつながりかねない。
働きすぎを防いで社員の健康を守るのが会社の義務だという声もあり、だから健康診断なども強制的に受けさせられたりするのだろうけど、働き方の自由が保障され、意に反した過酷な労働を課されたりはしないという前提のもとであれば、本人の健康なんて基本的には自己管理・自己責任で充分ではないかと私は思う。

