◆「ホワハラ」の出現 多様な働き方の落とし穴と新たな同調圧力
最近会社がホワイトすぎて物足りないと言いだす若者も増えているらしく、そういうのを「ホワハラ」というらしいが、それこそが、働き方に関する姿勢や考え方が多様であることの表れだろう。残業などせずにさっさと家に帰れることが心地いいという人のほうが多いのは確かなのかもしれないが、そのマジョリティが正義になれば、人より余計に働きたいという人は白い目で見られることになる。
昔はさっさと帰る人のほうが白い目で見られていたわけだから、単にそれを反転しただけの話であって、多様な働き方を選択できる社会の実現などではない。
〈TEXT/池田清彦〉
【池田清彦】
1947年、東京都生まれ。生物学者。早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。生物学分野のほか、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する著書がある。フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。著書に『世間のカラクリ』(新潮文庫)、『自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋』(宝島社新書)、『したたかでいい加減な生き物たち』(さくら舎)、『騙されない老後 権力に迎合しない不良老人のすすめ』(扶桑社)など多数。Twitter:@IkedaKiyohiko

