レストランデザートの現場で磨く感性と人と人とがフランスと日本を結ぶ

その後、パリのレストラン『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』、『ホテル・ランカスター』に勤務。2013年からは『レストランKEI』のシェフパティシエを務めるなど、パティスリーではなくレストランの世界に入る。
Q.今までと違う世界で戸惑いがあったこと、大変だったことを教えてください。
高塚シェフ「その時は、とにかくレストランのリズムになれることが一番大変でしたね。とにかく早い。例えるならパティシエの仕事は長距離ランナーで、早すぎてもいけないし、淡々と一定のリズムで仕事をする。対してレストランは短距離ランナー。瞬間で爆発的に動いて、頭をフル回転させてクリエイトするのが大事でした。
シェフ・キュイジニエ(料理長)がどう考えているか、そこにどう合わせるか。コース料理の中でどういう食感でどういうものが出てくるか、そこをどう組み取って表現するか。イメージだけを伝えられ、それらを拾って組み立てていく作業が多かったです。その経験が今のお菓子作りにも生きていると思います。特に素材と温度管理を大事にすることを学びました。

Q.開業について。この場所に店を出した理由を教えてください。
高塚シェフ「世界的なモニュメントであるエッフェル塔が近いことと、道を挟んで向こう側に商店街があり、そこから一歩入って静かなこの住宅地がまさにパリの生活がいきづいていて、魅力的でした。敷居が高いようなお店よりも地元のお客様に愛されるお店にしたいです。

オープンから今に至るまで、あまり宣伝もできず。逆にそれが良くて、地元の人が多く来てくれています。『ここに明るい素敵なお店を作ってくれてありがとう』と地元の方々に言ってもらえた時は、凄く嬉しかったです。」
取材中も次々に地元のお客様が訪れ、すでに席は満席に。朝一番で買いに来たおじいちゃんと高塚シェフの後ろ姿も印象的でした。日本人のパティシエがこうやって異国の地で多くの人の衣食住において大切な役割を果たす姿は、お店を開業する人としてのいいモデルになるかもしれない。海外で働きたいと考えるパティシエにとっても凄く勇気づけられるのではないでしょうか?
今後は日本でのイベントや催事も参加していきたいという、高塚シェフ。日本の食材をフランスに持ち帰って、素材の良さを発信することも考えているそうだ。
パリに来たら、ぜひ高塚シェフのお店に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
About Shop
Pâtisserie TOSHIYA TAKATSUKA
16 Rue George Bernard Shaw, 75015 Paris, フランス
営業時間:公式インスタグラムがご確認ください
定休日:公式インスタグラムがご確認ください
Photo&Writing/坂井勇太朗