◆「島おこし」、具体的になにをするのか

えりやん:そうです。総務省の地域おこし協力隊制度(対馬の場合は島おこし協働隊という名称)を活用したもので、雇われ先は対馬市になります。面接はあるのですが、筆記テストなどは無かったです。自治体によってさまざまな課題がありますが、職員が足りず、その穴埋めのような役割を課せられてしまうことも問題の一つだと思うんです。ただ、島おこし協働隊の場合は役割がある程度明確でした。
私はコミュニティ支援でしたが、そのほかにイノシシやシカの獣害を対策する「自然共生チャレンジャー」を担当する方がいたり、海の森(藻場)を再生する「海の森再生支援」を担当する方がいました。私は2024年6月末で丸3年間の就任期間が満期となり退任していて、いまの現役隊員の方々は「対州馬保存・活用支援」のメンバーとして活動されているようです。今の私は在任時の活動が基盤にあるので、島おこし協働隊として活動できて本当によかったです。
――現在はダンス教室を運営されているほか、バスガイドやケーブルテレビのリポーター、FMのパーソナリティもされているとか?
えりやん:バスガイドは月によって勤務がバラバラで、春や秋の観光シーズンのように勤務が多い月もあれば、勤務がない月もあります。ケーブルテレビは『つしまる通信』という番組に出演させていただいていています。ロケもありますが、私はスタジオにいることのほうが多いですね。
ダンス教室は、公民館を借りて私一人で教えています。曜日毎にクラスを設けていて、子供たちには45分、60分、90分のレッスン、大人たちには90分のレッスンをしています。いろいろやってはいるのですが、これで食べていけるかって言われると微妙なので、そのほかに、夏祭りなどイベントの司会のお仕事とかもいただいたりしています。どれも自分がしたかったお仕事ですし、それぞれのお仕事で関わっている方々にはとても感謝しています。
◆「東京は常に張り詰めた感じ」だったが、対馬は…
――バスガイドもされていて対馬の魅力をたくさんご存知だと思いますが、どんなところが魅力ですか?えりやん:いろいろありますけど、まず言えることは「人の温かさ」です。東京にいる時って、まわりの人たちが頑張っているし、なんか頑張っていないといけない感覚があって常に張り詰めた感じがあったのですが、ここにいるだけで認めてもらっているというか、存在を受け入れてくれているような感覚があるんです。やりたいことを応援してくれたり、わからないことを教えてくれたり、人をつなげてくれたり。人の温かさを感じる場面が多いです。
――おすすめのスポットは?
えりやん:胡簶神社(ころくじんじゃ)です。山の上から海へ向かって階段が続いているのですが、海の近くに鳥居が2つあるんです。鳥居のすぐ近くが磯場になっているのですが、その光景がすごく神秘的できれいなんです。時間帯によっては潮の満ち引きで磯遊びができたり、潮溜まりの所で魚やウミウシが見られたりもします。
あと、その場所へ行くまで約800メートルの山道を通るのですが、その途中で対馬にしか生息していないカエルやトカゲに出会ったりもします。檜や杉が多くてマイナスイオンを浴びながら歩くのは気持ちいいですよ。人にはほとんど会いませんし(笑)。

