2025年12月号の特集「銀座」に合わせ、すぐ隣のエリアにある「帝国ホテル 東京」をリポートする。
1890年に誕生し、明治から令和まで時代を超えて愛され続けている同ホテル。
その歴史深いホテルは新たな段階を迎え、営業を継続しながら建て替えに取り組み中。1970年開業の現本館は2030年までの営業で、2036年には4代目の本館が開業予定だ。
今回は残り数年となる現本館を堪能すべく、特別階のインペリアルフロアに滞在した。
ロビーの階段裏にはフランク・ロイド・ライト設計の旧本館で使用していた机とイスが置かれ、名建築の面影に触れられる
正面玄関をくぐったあと、「帝国ホテルは“絨毯の敷かれた街”」とよく思う。
本館1階のロビーでは人々が行き交い、再会の瞬間もあり、夕暮れ時には活気を増していく。
本館1階『ランデブーラウンジ』は多田美波氏の大作「黎明」が圧巻。約7,600個のガラスブロックからなる作品
ロビーラウンジは、都内ホテル最大級の広さながらも落ち着いた空間で、仕事がはかどる。
ロビーの隣の『ランデブーラウンジ』では打ち合わせからデートまでさまざまな姿が見られ、その横の『ガルガンチュワ』には焼きたてパンが香り、先に進むと薬局や洋品店が並ぶ。
インペリアルフロアでは専任のゲストアテンダントが滞在をサポート。20年以上同フロアに勤めるスタッフもいる
優雅な街のようで、同時にホテルだとスタッフの存在から実感する。
例えば何かを探す視線となれば、「ご案内いたしましょうか?」と機敏に対応。そんなロビーで鍵を受けとりインペリアルフロアに上がると、着物姿のゲストアテンダントに迎えられた。
客室案内後に、お茶を持ってきてくれ、パーソナルなもてなしに癒やされる。
本館14~16階インペリアルフロアの「デラックスパークビュー ツイン」(42㎡)。
1泊1室2名¥141,600~。
夜には客室で、お酒を含むワンドリンクサービスあり。
『銀座アンティーク・アイ』で年代物のジュエリーを買い、同日のホテル内ディナーに着けていくお洒落なゲストもいるとか。バカラなどのヴィンテージグラスも並ぶ
ひと息ついたら手ぶらで地下1階の「帝国ホテルアーケード」を散策。そこは1923年に日本初のホテル直結ショッピング街として誕生し、いまも43軒が連なる。
一周して、『銀座アンティーク・アイ』へ。店内には、店主の石井陽青さんが世界を旅して買い付けた宝飾品や器、古美術品がそろい、時が遡る感覚だ。
エスプレッソカップは100年以上前の品にして状態が綺麗で、「いい家を渡り歩いてきた証拠ですね」とスタッフが話す。歴史深いホテルに溶け込むアンティークショップに博物館の中の宝箱のようなロマンを感じ、カップを購入した。
シャンパンやワインを気軽に楽しめる本館1階『The Rendez-Vous AWA(ランデブーアワ)』。グラスシャンパン¥1,900~
大人買いで渇いた喉を潤すべく、17時にシャンパンバー『ランデブーAWA』に入店。
シャンパンとワインを134銘柄、美味しい生ビールもそろえる。鴨のパテなどフードも逸品。
本館17階『インペリアルラウンジ アクア』では、フード付きの「カクテルフリーフロー」を提供中。2時間制ひとり¥12,000
1杯飲んだら『インペリアルラウンジ アクア』で薄暮の街を眺めながらフリーフローを始める。
同ホテルはお酒のハシゴも楽しいのだ。
本館中2階『オールドインペリアルバー』は、1923年に開業した旧本館(通称・ライト館)の意匠を残している
翌日は昼から夜まで通し営業の『オールドインペリアルバー』へ。
名建築を感じられるバーのロングカウンターで昼からカクテルを味わい、『ガルガンチュワ』で商品を手渡してくれたスタッフの笑顔が「帝国ホテル 東京」滞在の最後の印象となった。
『ガルガンチュワ』は朝8時から手土産を買うことが可能。(※写真の「プレミアムクッキー缶」は取材時、リニューアル前のパッケージデザインです)
以上を体験した本館が幕を下ろすまであと5年。やっぱり好きなこの場所に、訪れ続けようと心に決めた。
■施設概要
施設名:帝国ホテル 東京
住所:千代田区内幸町1-1-1
TEL:03-3504-1111
料金:1泊1室¥67,800~
部屋数:本館560室、タワー館349室


