◆最終的に店長らしき人物が現れ…
だが、相手は折れなかった。「少しの間なんだから」「すぐ終わるから」と言って譲らない。西川さんの彼女は、周囲の客に注目されていることに耐えられなくなったようで、渋々席を立った。「年配女性はこちらの皿やグラスが映るのが嫌らしく、細かく位置を変えたり、撮り直したりしていました。やたらとこだわるので、少しの間のはずがいっこうに終わる様子がないんです。せっかくのパンケーキが冷めてしまうと思うと頭に来てしまい、『いい加減にしてください』と伝えました」
だが、年配女性は平然と『ダメよ。あんたたちの汚いお皿が映るせいで何度も撮り直してるんだから』と言い放った。
「あくまでも自分が正しいという態度を崩さないので、自分たちでは手に負えないと思いました。それでお店のスタッフを呼んで相談したところ、そのスタッフが女性に声をかけてくれたんですが……それでも撮影をやめようとしないんです」
スタッフは店の奥に引っ込むと、今度は店長らしき人物を連れて戻ってきた。
「撮影を続ける女性に声をかけましたが、それでも『うるさい。こっちは客だ』と言って譲らないんです。しまいには大きな声を出して暴れ始めたので、これには先方もうんざりした様子で『お代は結構ですので、帰ってください』と言い放ち、強制的に退店させられていました」
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嫌な思いをした西川さんと彼女だったが、店長から「嫌な思いをされたことでしょう」と追加のスイーツとドリンクを無料で提供してもらった。店長の温かい気配りによって、最終的には良い時間を過ごして店を出ることができたという。
<TEXT/和泉太郎>
【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

